アディゼロ EVO SL WOVEN レビュー【最高の万能シューズ】

2025年に発売されたEVO SLのアップデートモデル「アディゼロ EVO SL WOVEN」を購入した。
アディゼロシリーズ好きとしては、シリーズ内でも最も評判の高いEVO SLは買わずにはいられない。むしろ買うの遅すぎるだろ。というツッコミが聞こえてきそうだけど、今年に入りようやく手に入れることができた。

ジョグから、サブ3.5〜サブ4あたりのレースまで幅広く使えると話題の一足。
実際に走ってみてどうだったか、反発やクッション性、どんなシーンに使えるのかを個人的な視点でレビューしていく。

本当にどのシーンでも使える一足

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_写真

アディゼロ EVO SL WOVENは、前作アディゼロ EVO SLからアッパーを新素材ウーブンアッパーに変更したアップデートモデル。
ミッドソールには、上位モデルでも使われている「Lightstrike Pro」がフルレングスで使われている。

自分はLightstrike Proがフルレングスで使われているシューズだとタクミセン11を所持している。とはいえ、あちらは軽量のレース向けモデルで、スピードに振り切っている印象。一方で、EVO SL WOVENは反発、クッション、軽量性をバランスよく備えつつ、安定感もしっかり感じられる。
速さだけでなく、安心して走れる感覚があるのが大きな違いだ。

EVO SLとSLシリーズの位置づけが難しいけど、やはりこの万能感はアディゼロSL2を思い出させる。
一言で言えば「超万能シューズ」。まさにこの言葉がしっくりくる。

良かった点

  • フィット感が抜群
  • クッション性もよく安定感があって走りやすい

惜しい点

  • もう少し軽ければ、より尖った仕上がりになって面白かった

アディゼロ EVO SL WOVENのディテール

ここではさらに「EVO SL WOVEN」をもう少し詳しく見ていく。

ミッドソール

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_ミッドソール外側

EVO SLと同じくLightstrike Proをフルレングスで採用。

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_内側

Lightstrike Proの特長は高反発性とクッション性。柔らかく沈み込みつつ、踏み込んだときにはしっかりと推進力を生み出してくれる。それでいて軽量という、アディダスの技術の結晶のような素材。
実際に触ると柔らかく足にも優しそう。

アッパー

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_アッパー

EVO SL WOVEN最大の特長が新素材の「ウーブンアッパー」。
EVO SLがメッシュ素材だったのに対し、EVO SL WOVENではWOVEN(編み込み)素材を採用。その結果、一体感が向上し、ホールド力とフィット感は格段にアップした。

ただし、通気性についてはメッシュ素材に劣る印象。冬場であれば問題ないが、夏場は少し気になるかもしれない。写真で手を入れてるんだけど、まったく透けて見えない。

アウトソール

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_アウトソール

前足部には、耐久性の高いアディゼロシリーズおなじみのContinentalラバーを配置。後足部には軽量性の高いクリアラバーが採用されている。中足部は軽量化のためラバーはない。

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_アウトソール中足部

ミッドフット着地だと、ラバーがない部分が少し不安になる。耐久性はどうなんだろう。

ヒールカップ

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_ヒールカップ

軽量シューズだけど、ヒールカップは思いのほかしっかりしている。ヒールカップの強度はフィット感に影響するので、この硬さは個人的には嬉しい。

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_ヒールカップを手で掴む

軽く握ってもクシャッとは潰れない。
ちなみに丸い斑点はリフレクター。ブラックを選んでも夜ランできる。

履き口・シュータン

履き口は足首周りが適度に厚手で、この作りがフィット感を向上させてくれている。さらにWOVEN(編み込み)素材のおかげで、ホールド力が高く、シューズとの一体感が強い。

シュータンについては、薄手で軽くパッドが入っている程度。だけど、アッパー素材のホールド力のおかげか、ズレることもなくいい感じにフィットしてくれる。

重さは217g

26.0cmで重さは217g

もちろん、ジョグ用やサブ3.5、サブ4のランナーにとっては十分に軽量な部類。だけど、昨今の軽量ブームのシューズの中では200gは切ってほしかったと、どこか思っている自分がいる。

レースシューズと考えると重くもなく軽くもない位置づけ。

サイズ感&フィット感

自分は、ほとんどのシューズで26.0cmの普通幅を選んでいる。
EVO SL WOVENの横幅は、標準幅(レギュラーフィット、2E相当)の1種類のみ。ということで、今回も迷うことなく26.0cmを選択した。

実際に足を入れた瞬間にまず感じたのが、WOVEN(編み込み)素材の柔らかさと、シューズとの一体感。アッパーが足全体を包み込むような感覚があり、フィット感はかなり良い。

横幅はジャストでキツくもなく、ゆるくもない。つま先は、親指1本分位の余裕がある程度で、サイズ感はいつもどおり。個人的には足の指が少し動かせるくらいスペースがあるのが好み。

参考までに今までレビューしてきたシューズはこちら

アディダス ADIZERO EVO SL WOVEN EKIDEN アディゼロ EVO SL ウーブン
created by Rinker

実際に走ってみた

クッション性が想像以上で疲れにくい

実際に走ってみると、想像していた以上にクッション性の高さを感じた。さらに、沈み込んだと思ったら、その後にしっかりと反発してくれて、自然と足が前に運ばれるような感覚がある。

カーボンやグラスファイバーといった反発素材が入っていない分、足当たりはやさしく、脚への負担も少ない印象。

グリップ力と安定感はさすが

初めて履いたのが雪の残る路面という、新作シューズを下ろすのには最悪な日だった。けど、履いてみたい衝動にかられ、走り出した。
いつもながらContinentalラバーの濡れた路面へのグリップ力はさすがで滑る心配はまったくなかった。
また、やわらかく沈み込むようなクッションでありながら、安定性能も十分で着地時のブレがほとんどなかった。

同じLightstrike Proをフルレングスで採用している、タクミセン11やジャパン9と比べてもぜんぜん違う。前者はグラスファイバー入りで、後者はスタックハイト※の違いにより、同じ素材でもまったく違うシューズなのがすごい。

※EVO SLは38.5mm、Japan 9は27mm

ポイント練習でも使える

ジョグ用とされるシューズにありがちなのが、フルマラソンは走れそうだけど、インターバルやスプリントとかスピード系の練習はどうなの?ってことがある。

自分もEVO SL WOVENに関しては、フルマラソンなら十分使えるとは思ったけど、インターバルはしんどいのかなと考えていた。

ところが、いざインターバル走をしてみると、他の軽量シューズと遜色なくクリアできた。しかも、クッション性はこちらが上だから疲労度も軽減してくれる。
また、一つレースシューズ候補が生まれて嬉しい悩みが一つ増えた。

【気になった点】最高に万能すぎる

強いてあげるとすれば、ただただ万能すぎるということだけ。
しかも、そのすべてが段違いに万能。通知表でいうと2割が「5」で残りの8割が「4」といった感じ。

だからこそ、もう少し尖りを出す意味でも、200gを切るくらいまで軽量化されていたら、さらに面白かったんじゃないのかと思った。
この安定感を維持できればマジで最強シューズになれると思う。

アディゼロSL2との違いは

これまで自分が履いてきた中で、アディゼロシリーズの万能シューズといえば真っ先に思い浮かぶのが「SL2」だった。
EVO SLは同じ「SL」という名前が付いてるけど、実際に履き比べてみると、両者はまったくの別物。進化版というよりも別路線のシューズといっていい。

EVO SL WOVENSL2
ミッドソールLightstrike Proフル(PEBA系・高反発)Lightstrike Pro+LS 2.0併用(耐久・安定重視)
重量約217g約228g
スタックハイト約38.6mm(厚底・クッション重視)約36mm(厚底・クッション重視)
アウトソール前足部にContinentalラバー(軽量・耐久バランス)厚めで頑丈(耐久性重視)
アッパーWOVEN編み込み(ホールド強め)標準メッシュ(柔らかめ)

SL2は、安定感と耐久性が高く、ジョグや日常のトレーニングで安心して使える一足。
一方で、EVO SL WOVENは、同じ万能系でもより軽快で反発を感じやすい。

実際に履いていても、SL2は「安心して走れる」、EVO SL WOVENは「気持ちよく走れる」という違いがはっきりしている。

とはいえ、発売からかなりの日数が経過しているということもあり、アディゼロSL2の実勢価格はEVO SL WOVENと比較して半額近くで買えてしまう。

最初の一足として考えるなら、今でもSL2は十分おすすめできる。

EVO SL WOVENはどんな人におすすめか

まず、EVO SL WOVENがどのレベル感のランナーに合うのかを明確にしておきたい。
参考までに、現在の自分の走力は以下のとおり。

  • フルマラソン:3時間40分
  • ハーフマラソン:1時間39分
  • 目標:サブ3.5

実際に走ってみたペース帯は、キロ4分20秒〜6分30秒あたり。
特に気持ちよく走れると感じたのはキロ5分20秒前後で、クッションの柔らかさと反発のバランスがちょうどよかった。

キロ6分前後のペースでも、クッションがしっかり効いていて脚にやさしく、弾むような感覚で走れる。
一方で、閾値ペースに近いキロ4分20秒あたりになると、もう少し反発が欲しいと感じる場面もあった。

ただ、自分の目標レースペースはキロ4分58秒前後なので、そのペース帯ではまったく不満はなく、むしろ安定して走れそうな感じがあった。

おすすめな人

  • 一足でジョグからレースまで完結させたい人
  • クッション性と安定感を重視したい人
  • 軽量シューズを探しているが、過度な尖りは求めていない人

向かない人

  • 耐久性を最優先したい人
  • 通気性の高いメッシュアッパーが好みの人

【最終結論】人気な理由がわかる

アディゼロ_EVO_SL_ WOVEN_レビュー_庭での写真

EVO SL WOVENをレビューして改めて感じたのは、サブ3.5〜サブ4あたりの自分にとって、欠点らしい欠点が見当たらないシューズだったということ。
クッション性も申し分ないけど、それ以上に印象に残ったのがホールド感。シューズと脚がしっかり一体になっている感覚があり、安心して走れる。

反発、クッション、安定感のバランスが非常に高いレベルでまとまっていて、
「ほぼすべてが満点の超万能シューズ」という表現がしっくりくる一足だ。

一方で、耐久性についてはやや不安が残る。レースシューズ候補としての一足もあるので、気軽にジョギング使うにはやや気が引けるけど、レース本番までじっくり考えたい。

とはいえ、カラー展開も徐々に増えてきており、今後さらに人気が出るのは間違いなさそう。すでに人気だけど…

最後までお付き合いいただき感謝。これからも気が向いたらのぞいてくれると嬉しい。

アディダス ADIZERO EVO SL WOVEN EKIDEN アディゼロ EVO SL ウーブン
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