アディゼロ SL2・ジャパン9・ボストン13・タクミセン11を徹底比較|市民ランナーにおすすめのアディゼロシリーズ4モデル

アディゼロ SL2・ボストン13・ジャパン9・タクミセン11の4モデルを横並びで比較した画像(ADIZEROのロゴ入り)

アディゼロシリーズは種類が多く、正直どれを選べばいいか迷う人も多いと思う。そこで今回は、自分が実際に走っている「SL2」「ジャパン9」「ボストン13」「タクミセン11」の4モデルを取り上げる。いずれも最新モデルなので、それぞれの特徴や使い分けについてまとめてみた。

ジョグからスピード練習、そしてレースまで実際に使った感覚をベースにしているので、市民ランナー目線での参考になれば嬉しい。

アディゼロシリーズとは?

アディゼロシリーズは、アディダスが2005年に日本人ランナー向けに開発したランニングシューズシリーズで、「日本人を速くするために」をコンセプトに開発されたシリーズで、日本人の幅広・甲高の足型に合わせた設計で、抜群のホールド感と安定性を実現しているのが特徴だ。

シリーズには中厚底から超厚底まで多種多様なシューズがラインナップされており、現在は8モデルが展開されている。

代表的なモデルとしては、レースシューズとして多くのエリートランナーから支持を集める「アディオスプロ」が有名だ。さらに、規格外の厚底で話題を集める「Prime X」や、市民ランナーでも扱いやすい「SL2」「ボストン13」など、レベルや目的に応じて幅広く選べるのが魅力である。

アディゼロシリーズの難点?

いきなりなんだけど、個人的にアディゼロシリーズは好きだし、どのシューズも優秀だと思っている。
ただ、一つだけ難点を挙げるとすれば「誰にでも履ける万能モデルがない」ということだ。

万能シューズという観点でいえば、今では「SL」シリーズがそのポジションを担っている。ただ、以前はナンバリングの「ジャパン」シリーズがその役割を果たしていた。

つまり、ナンバリングが変わるとシューズ自体の性格も大きく変わってしまい、「アディゼロといえばこれ!」という定番が存在しない。
ナイキでいえば「ペガサス」、アシックスでいえば「ゲルカヤノ」のようなシリーズを象徴する“顔”となるモデルがない、というのが正直な印象。

比較する4モデルの基本スペック

ここからは、今回紹介する4つのシューズの基本的なスペックを整理していく。
用途や素材、重量、価格などの違いを押さえておくと、自分に合ったモデルを選びやすくなるはずだ。

モデル名シーン重量(g)反発推進価格(定価)
SL2トレーニング・ジョグ23214,300円
ジャパン9ショートレース・トレーニング17717,600円
ボストン13トレーニング・レース(サブ3.5、サブ4)255グラスファイバー18,700円
タクミセン11レース(5km〜ハーフ)200グラスファイバー24,200円

実際に走って感じた違い

アディゼロ_履き比べ

SL2:一番スタンダードでどんなシーンでも使える。良くも悪くも尖りがなく、誰でも履きこなせる。
・ジョグ10km(5:45/km)、ポイント練習12km(5:00/km)でも無理なく対応できた

ジャパン9:現在のアディゼロシリーズの最軽量シューズ。スピード練習や5km〜10kmまでの短い距離で活躍。
・400m×8本(4:00/km)や5km走(4:20/km)で軽快さを実感

ボストン13:ロング走での安定感は随一。かといって、スピードが出ないわけでもなく、このシューズもある意味万能。サブ3.5までなら、レースシューズとしても十分性能を発揮してくれる。
・20km走(5:45/km)でも後半の安定感が抜群

タクミセン11:スピード特化型シューズ。主にレースやインターバルで真価を発揮。不安定なシューズで履きこなすには慣れが必要。
・1000mインターバル×5本(4:10/km)で反発を活かせた。

4モデルの位置関係をマトリックスで整理

ここまで紹介してきた4モデルの特徴を、クッション性・反発性・重量・用途の軸で整理したマトリックス表がこちら👇

アディゼロ_チャート

これを見ると、それぞれのシューズがどんな立ち位置なのかが一目で分かると思う。ここからは、タイプ別におすすめモデルを整理していく。

どんな人におすすめか

ランナーのレベルや練習スタイルによって、選ぶべきモデルは変わってくる。ここでは、初心者・中級・上級ランナー、およびジョグ派・スピ練派・レース志向といったタイプ別に、それぞれのシューズのおすすめ度を整理した。

レベル別のおすすめ

レベルSL2ジャパン9ボストン13タクミセン11
初心者×
中級
上級

※◎=特におすすめ、○=合う人にはおすすめ、△=少し上級者向け、×=おすすめしにくい

練習スタイル別のおすすめ

タイプSL2ジャパン9ボストン13タクミセン11
ジョグ派×
スピ練派
レース志向◎(サブ3.5〜4)◎(5km〜ハーフ)

SL2:とにかく万能。特に初心者やジョグ中心のランナーには一足あると便利。[SL2のレビュー
ジャパン9:軽量でスピード練習がメインの人にぴったり。初心者にはやや薄底すぎるかも。[ジャパン9のレビュー
ボストン13:ロング走〜レースまで幅広く対応。中〜上級者のメイントレーニングシューズにもなる。[ボストン13のレビュー
タクミセン11:スピードを出したい人、レースで切り札的に使いたい人におすすめ。扱いはやや上級者向け。[タクミセン11のレビュー

まとめ|目的に合ったアディゼロを選ぼう

2509_センバル

今回紹介した4モデルは、それぞれ得意なシーンがはっきりしている。
この記事を参考に、自分の走力や目的に合ったモデルを見つけてもらえたら嬉しい。
なお、アディゼロシリーズには他にも魅力的なモデルがたくさん揃っているので、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。

モデル特徴
SL2ジョグ〜ポイント練習まで幅広く使える万能タイプ
ジャパン9軽量でスピード練習や短距離レースに強い
ボストン13ロング走とレースを両立できる万能モデル
タクミセン11反発と軽さが武器。上級者ならフルも対応可能

個人的には迷ったらSL2を選ぶのが間違いない。