自分が最も好きなランニングシリーズ「アディゼロ」から、アディゼロジャパン9が発売された。ジャパンはその中でも特にお気に入りで、初めて買った6から常に最新モデルを購入している。
当初は駅伝モデルのみで手に入りにくかったが、発売から1カ月が経ってようやく入手。 今回は大幅に進化した最軽量シューズ「アディゼロ ジャパン9」の魅力をレビューしていく。
- 重さ:164g(26.0cm)
- ミッドソール:Lightstrike Pro
- ドロップ:7mm
- 用途:スピード練習、10km〜ハーフ
前作のアディゼロ ジャパン8のレビューはこちら

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アディゼロ ジャパン9はアップデートというより“アップグレード”

アディゼロ ジャパン9は、これまで万能シューズとしての立ち位置だったが、今回はスピード特化型へ大きく舵を切った。もはや“アップデート”ではなく、“アップグレード”と言っていい。
これまでの万能ポジションはSL2に譲り、ジャパン9はスピード追求型のシューズとして生まれ変わった。従来の「どんな場面でも使える便利な一足」ではなく、「スピード練習に特化した攻めの一足」としての印象が強くなった。
シリーズ最軽量
アディゼロの最軽量といえば「タクミセン」だったが、ジャパン9はそのタクミセンよりも公式で約23gも軽くなっている。文字通りの最軽量モデル。
公式の重さ(サイズは27.0cm)
タクミセン10(TAKUMI SEN10) 200g
ジャパン9(JAPAN9) 177g
この177gという数字は、もはや軽量モデルの枠を超えてレーシングシューズの領域に入っている。
他メーカーの上位モデルと比べても遜色ない軽さで、履いた瞬間に驚くレベルだ。重さを感じないどころか、「軽すぎて物足りない」と感じるほどのインパクトがあった。
最上級モデルは敷居が高いと感じる人にとって、定価17600円のジャパン9はコスパの面でも魅力的。
ミッドソールはライトストライクプロ

これまでのジャパンシリーズはライトストライク+ライトストライクプロの2層構造だったけど、ジャパン9ではフルレングスでライトストライクプロを採用。軽さと反発性に特化した仕様になっている。
このミッドソールの変更により、接地時の反発がよりダイレクトに足裏に返ってくるような感覚がある。軽く足を置くだけでポンと跳ね返るような反応で、スピードに乗りやすい。
コンチネンタルラバーはつま先のみ

前足部に採用されていることの多い、高いグリップ力と耐久性が特徴的なラバー「コンチネンタルラバー」。
今作では、使用部分をさらに絞り、前足部の母指球に当たる部分にのみ採用。
これによりフォアフット走法を好むランナーにより適した仕様に。
接地を感じられる中厚底

厚底シューズがトレンドになって久しいけど、ジャパン9のヒールの高さは27mmで、薄底とは言い切れない、いわゆる中厚底という表現がしっくりくる。厚底とは違い、接地の感触をより感じられるので、感覚を磨きたいランナーに最適。
「万人向け」から「特化型」へ
自分はジャパン6から履いているけど、今回のジャパン9はもはや万能型ではなく、スピード特化型。アディゼロシリーズの万能ポジションといえば、今はSL2。
SL2は幅広い用途に使える一方、ジャパン9は明確にスピード練習やタイムアタックに照準を合わせている。これによって、シリーズ内での住み分けがはっきりした。
アディゼロ ジャパン9のディティール
ここからは、デザインも含めたアディゼロジャパン9を深堀りしていく。

ミッドソールはフルレングスでライトストライクプロを採用。

スリーストライプスがソールにはみ出していてデザインもかっこいい。

前から見たときのピンクの部分がコンチネンタルラバー。
ドロップは7mmと標準的で転がるというよりは反発で前に進むといったイメージ。

後ろはロゴもなくシンプルなデザインに。外側にやや傾斜気味。

アウトソールには前足部のコンチネンタルラバーと全体にLIGHTTRAXION(ライトトラクション)を採用。高いグリップ力と軽量性が特徴。デザインも幾何学的でおしゃれ。

自分は写真で見たとき真っ白に見えてラバーがないと思ってしまった。

「安心してください!ラバーありますよ」みたいな感じ。薄いけどちゃんとある!

アッパーはテキスタイルと合成ストレッチメッシュを採用し通気性と軽量性を重視したつくりに。

また、軽量で伸縮性のある「ライトロック」という素材を用い、伸縮性があり軽量ながらもフィット感にも優れている。


ヒールカップは軽量シューズ特有の柔らかさだけど、思いの外しっかりしていて、ペラペラという感じではない。


軽量シューズだけれど、履き口やシュータンにある程度パッドが使われていて、フィット感も悪くなさそう。
26.0cmで164グラム!軽すぎる

公式だと27.0cmで177gだったけど、購入した26.0cmだとなんと164g。
自分が過去に買ったシューズでダントツの軽さ。マジで軽い。
関係ないけど、自分が持ってるiPhone14よりも余裕で軽い。
サイズ感

普段履いているのは26.0cmの普通幅なので、今回も同じサイズを選んだ。
履き心地はジャストサイズ。幅はややタイトに感じるけど、許容範囲内。
アディゼロジャパン9はワイズ展開がひとつだけなので、幅広の人はサイズの微調整がおすすめ。
軽量シューズだけあって、アッパーの生地にはあまり伸縮性がない点にも注意したい。
レビューしたシューズはこちら>>>
アディゼロ ジャパン9 実走レビュー|軽さと反発は?実際に走って検証

とにかく軽い!スピードアップが自然とできる
軽さが別次元で、普段の出力でもスピードが出る。そのうえ、感覚的にはいつものペースのつもりでも、時計を見るとキロ10秒ほど速い。自然とスピードに乗せられている感覚がある。
インターバルや閾値走といったスピード練習で活躍してくれそう。
反発性が抜群
Lightstrike Proが強烈な反発を生む。ノンカーボンなのに弾む感覚あり。 足裏から跳ね返るような推進力が気持ちよく、スピード練習でのモチベも上がる。
安定感はあまりない
速さを求めればやはり失うものもある。
軽量性と反発性を重視したため、着地時の安定感はあまり感じられず、スピードが落ちるとブレやすい。リズムに乗れてるときは問題ないが、疲れてフォームが乱れ始めると、やや足元が不安定になる。
アディゼロ ジャパン9の耐久性は?

現在201kmほど使用しており、頻度は週1回程度。主にスピード系のトレーニングで使っている。
自分は基本的にヒールストライクだが、インターバルやペース走などではミッドフット気味の着地を意識している。そのためか、ヒール部分に目立った摩耗やダメージは今のところ見られない。加えて、前足部のコンチネンタルラバーも健在で、グリップ力の劣化も感じていない。全体的に見ても、アウトソールの摩耗は外側エッジに少しある程度で、まだまだ現役で使えそうな印象だ。
アッパーのメッシュ素材も破れや伸びはなく、ホールド感も最初と大きな変化は感じない。さらに、ミッドソールの反発も明確なヘタリは見られず、耐久性はかなり優秀な部類に入ると感じている。
ジャパン9はフルマラソンに使える?
ジャパン9での最長走行は15km。キロ5分20〜30秒ペースで走ったが、正直フルマラソンを走り切るにはやや不安を感じた。
前半は軽快だが、後半にかけて足裏(特に前足部)へのダメージが気になる。反発はあるものの、クッション性は控えめで、長距離ではボストン13の方が安心感がある。
ハーフまでは快適だが、フルで使うには脚力やフォーム効率が求められる。現状ではスピード練習用としての使い分けがちょうどよく、走力がつけば再評価したい。
現状では、ジャパン9はスピード練習やテンポ走に最適なトレーニング用シューズという位置づけだ。
評価まとめ
前作からの大幅アップデートで、すべての人におすすめできるシューズではなくなった。その代わり、より個性が際立ち、アディゼロシリーズの住み分けが進んだ印象だ。ていうか今作は尖りすぎ。
- スピード練習用のシューズを探している
- キロ5分以上のペースでテンポよく走りたい
- ノンカーボンでも反発性を感じたい
- 耐久性が気になる
- カラー展開が少なく、フラッグシップカラーの好みが分かれる
- アッパーの伸縮性
スピード強化を目指して、ガシガシ履いていく予定。気になったらぜひ一度試してみてほしい。