ここ数年で、ランニングシューズ業界の顔ぶれが少しずつ変わってきている。
ナイキやアシックスに加えて、PUMAやHOKA、Onなど、選択肢は以前よりもずっと広がった。
なかでもPUMAは、もともとサッカーのイメージが強かったが、最近はランニングにも力を入れていて、意外と評判がいい。
見た目もスタイリッシュで、レビューを見るかぎり性能面も十分に期待できそうだった。
ちょうどデイリー用の新しいシューズを探していたこともあり、「ヴェロシティ ニトロ 4」を購入。
今回は、初めて手にしたPUMAのランニングシューズについて、その率直な感想をまとめていく。

X(エックス)では日々のランニングを中心につぶやいています。
よかったらフォローお願いします。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
なぜヴェロシティ ニトロ 4を選んだのか

まず冒頭でも書いたように、探していたのは気軽に履けるデイリーシューズ。
用途は主にジョグで、日頃のランニングもほとんどがジョグ中心。だから、とにかく走りやすくて、ある程度クッション性のあるシューズを探していた。
そんなときに目に止まったのが、PUMAの「ヴェロシティ ニトロ 4」だった。
自分は昔サッカーをやっていたこともあり、PUMAにはどこか親しみがある。
加えて、見た目のデザインも好みにハマっていて、一度試してみたいと思っていたタイミングだった。
価格は16,500円(税込)。最近のランニングシューズ事情を考えると、エントリー価格といってもいいくらい。
正直そこそこ高いけど、自分の中ではこれくらいが「最低ライン」になりつつある。
感覚バグってきてる。
ヴェロシティ ニトロ 4の特徴は?
- クッション性と反発のバランスが◎
フルレングスのNITRO FOAMを採用。軽く弾むような感覚で、走っていて気持ちがいい。 - 意外と軽い
前作より約14g軽くなって、公式では27.0cmで約250g。見た目よりもずっと軽く感じる。 - JAPAN FIT設計で足にやさしい
甲まわりや前足部のフィット感がちょうどよく、長時間走ってもストレスが少ない。 - 通気性がしっかり確保されている
アッパーはメッシュ素材でムレにくい。必要なところだけサポート補強が入っている感じ。 - グリップと耐久性も申し分なし
アウトソールにはPUMA GRIPを採用。濡れた路面でも安心感あり。最大800kmまで対応らしい。 - 環境にも配慮あり
アッパーには30%以上のリサイクル素材を使用。ちょっとだけ地球にやさしい。 - 幅広いランナーに合う“万能型”
ジョグ中心の人にも、1足でいろんなペースをカバーしたい人にもおすすめできるタイプ。
まとめると、軽量性・反発性・フィット感に優れ、ジョグからテンポ走、ロングランまで幅広い用途で使える万能シューズ。
さらに、今作では甲高設計によって、日本人にとって目が離せないランニングシューズに進化している。
ヴェロシティ ニトロ 4のディティール
ミッドソール

ミッドソールはフルレングスでNITROFOAM(ニトロフォーム)を採用。
前作のヴェロシティ ニトロ 3では、NITROFOAMとPRO FOAM LITEの2層構造だったけど、4では単層のNITROFOAMに変更された。
これにより、軽量化と接地感の向上が図られていて、足裏感覚がよりダイレクトに伝わってくる。
アッパー

通気性に優れたエンジニアードメッシュを採用。
さらに、負荷のかかる部分には軽量補強材「PWRTAPE」が配置されていて、ホールド感と耐久性の両立にも一役買っている。
今回はJAPAN FIT設計ということで、甲高の日本人の足にもフィットしやすい形状になっているのも嬉しいポイント。
アウトソール

PUMAGRIP(プーマグリップ)を全面に採用。
見た目からしてグリップ力は高そうで、実際に走っても濡れた路面で滑りにくそうな印象。
テンポを変えたときにもスムーズにトラクションが効いてくれる感じがある。
しかも公式では「最大800kmまで対応」と記載されていて、耐久性もかなり高め。
実際そこまで持ったらコスパ良すぎる。
ヒールカップ

かかとを包み込むような形状で、ホールド感がかなりよさそう。
長時間のランでも足首周りをしっかり支えてくれそうな安心感がある。

この部分は「ロールカラー構造」と呼ばれていて、実際に触ってみても作りはしっかりしている。
握っても形が崩れず、剛性の高さを感じた。
自分はランニングシューズを選ぶとき、軽さの次にヒールカップの作りを重視しているので、この仕様はかなり好みにハマった。
履き口・シュータン

履き口には分厚めのパッドが入っていて、足首まわりのサポート力はかなり高い。
ホールド感がしっかりしていて、ラン中に足がブレるような感覚もない。

シュータンは薄めのつくりで、中央には通気用の穴が設けられているのが特徴。
そのため、蒸れにくく、特に暑い季節でも快適に使えそうだと感じた。
また、シュータン表面にはロゴ入りの反射素材が使われていて、靴ひもにも反射加工が施されている。
夜間のランニングでも視認性を確保してくれる点は、地味だけど嬉しいポイント。
デザイン

PUMAの靴といえば「カリフォルニア」が個人的にすぐ思い浮かぶ。
サイド部分のデザインが当時かっこよくて好きだった。
ヴェロシティニトロ4にもこのデザインは採用されていて、スタイリッシュで普段使いでも履けそうなくらいかっこいい。
また、カラー展開も豊富なので、好きなカラーが選べるのも嬉しいポイント。
重さは26.0cmで225g

公式では、27cmで約250gとあったけど、1cmで25gもダウンしている。2回計ったから間違いない…はず。
とはいえ、持った感覚でもめちゃくちゃ軽い。この作りでこの軽さは正直言ってやばい。
ということは、どこかの性能が削られてるとしか思えない。でも、耐久性は800kmだから、クッションや反発に影響があるのかも。
そのへんは実際に走ってみて、あとから評価したい。
サイズ感

自分は、普段26.0cmの普通幅を選べば、だいたい問題なく履けている。
今回もいつも通り、26.0cmを購入。
実際に履いた感覚では、普通幅のわりにはやや細い印象。特に母指球あたりが少しだけ窮屈だったけど、ここは紐やソックスの分厚さで調整すれば問題ない範囲。
つま先の遊びもそこそこあったので、サイズダウンできそうな気がしたけど、そうなると幅が更に狭く感じそうだから、結果的に26.0cmで良かったと思う。
参考程度にこれまでレビュー記事はこちらから↓
これまでのシューズレビュー
フィット感

ロールカラー構造という名前の通り、本当に包みこんでくれるような感覚で足首周りのフィット感は文句なし。
一方で、シュータンはそれに比べると薄めの作りだけど、逆にこの部分で微調整が可能になっていて、ホールド感が感じられた。
つま先は少々余裕があるけど、あまり詰まってるのも好きじゃないので、個人的には違和感なし。
実際に走ってみた感想

弾むクッション
ミッドソールのNITROFOAMは、柔らかいクッションだけじゃなく、強い反発も返してくれる。
実際に、Eペースではいつもよりピッチが下がった分、ストライドが伸びていた。
軽くバウンドするような感覚で、ジョグでもテンポでも対応できそうな印象。
軽さは正義
26.0cmで実測225gと、ジョグシューズの中ではかなり軽い部類に入る。
しかも、実際に走ってみると、その軽さははっきりと感じられて、思わずペースが上がっていた。
そのうえ、クッション性もしっかり確保されているので、ショートインターバルやレペティションでも使える気がするくらい軽快だった。
グリップも安心感あり
アウトソールのPUMAグリップが地面をしっかり捉えてくれるので、接地時の安定性がとても良かった。
乾いた路面でも安定感は抜群で、濡れた路面や雨の日でも安心して走れそう。
とはいえ、今回カラーはホワイトを選んだので、あんまり履きたくないけど。
ヒールストライクに向いている
ドロップが10mmあり、ヒール部分のソールもかなり厚め。
ヒール着地気味の自分にとっては、踵から接地してそのまま前に押し出されるような感覚があって、非常に走りやすかった。
理想はミッドフット着地だけど、ヒールストライク走法のランナーとの相性はかなりよさそう。
足首のホールド感が秀逸
ヒールカップまわりには分厚いパッドが入っていて、足首をしっかりと包み込んでくれる。
走っている間もシューズが浮く感覚はなく、一体感をもって走れる。
フィット感を重視する人には、安心して使える仕様だと感じた。
フルマラソンも走れる
クッションと反発のバランスがよく、フルマラソンでも安心して使える一足。
完走やサブ4を目指すランナーには、ちょうどいいスペックだと感じた。
逆に、サブ3.5以上を狙うようなスピード重視のレースでは、他のより反発の強いモデルのほうが合っているかもしれない。
気になる点
個性はやや控えめ
クッション性も反発性もバランスよく備えているけど、どちらかに特化した強さはあまり感じない。
そのぶん万能で使いやすい反面、人によっては少し物足りなさを感じるかもしれない。
尖った性能を求めるタイプのランナーには、やや印象が薄くなる可能性もある。
フィット感は好みがわかれそう
今作はJAPAN FIT仕様で、甲高設計になっている。
甲の高さが合わない人にとっては、フィット感に違和感が出るかもしれない。
また、横幅も比較的タイトなつくりなので、足幅が広い人はサイズ選びに注意が必要。
ヴェロシティ ニトロ 4は一足あって損はない

総合的に見て、ヴェロシティ ニトロ 4はジョグでもテンポ走でも、さらにはフルマラソンでも使える万能型のシューズだと感じた。
クッション性と反発性のバランスが良く、履き心地も自然でクセがない。
耐久性も最大800kmとされており、価格は決して安くはないけれど、そのスペックを考えればコストパフォーマンスは悪くない。
このシューズで日々の走りをしっかり積み重ねていけば、
いずれはカーボンプレート入りのデヴィエイト ニトロと使い分けるようなステップアップも狙えると思う。