アディゼロ ボストン13|2年ぶりの進化は本物だった!【市民ランナー目線レビュー】

自分がランニングを初めて2足目に購入したシューズがアディゼロ ボストン8で、すべてのモデルを購入しているわけではないけど、定期的に購入しているボストンシリーズ。アディゼロシリーズは、毎年アップデートされている印象だったけど、最近はそうでもなく13は前作の12から約2年ぶりに発売された。人気のボストンシリーズが2年も空いたことで、待ち構えていた人も多いはず。

今回はそんな待望のアディゼロボストン13を市民ランナー目線でレビューしていく。
購入を検討している、気になっている方の参考になれば嬉しい。

アディゼロ ボストンとは?(シリーズのおさらい)

ボストンマラソンの開催地「ボストン」の名を冠し、シリーズ名の由来となっている。もともとのシューズは1982年に発表され、2010年ADIZEROのラインナップに名を連ねた、今作で13代目となる、シリーズ切っての人気作だ。
最近では、ADIZEROシリーズ自体が以前にも増して人気で、4月下旬に先行発売されたがすぐに売り切れ、満を持して6月上旬の一般発売で手に入れることができたけど、サイズ次第では売り切れていたりと勢いは衰える気配がない。

アディゼロ ボストン13の注目ポイント3つ

約2年の月日を経て満を持して発売されたボストン13の特徴は以下の通り。

  • 前作から大幅に軽量化
  • Lightstrike Pro(ライトストライク プロ)の増量
  • 最先端「エナジーロッド 2.0」を採用

他にも色々と細かなアップデートはあるけど、具体的にはこの3点が大きな変更点。

購入の経緯と選んだ理由

以前に「アディゼロ ボストン11」を履いていたが、重さとクッションの硬さが気になり、しっくりこなかった。それなりに距離は走ったが、自然と手が伸びるシューズにはならなかった。

その流れで「ボストン12」はスルー。しかし、ボストン13のリリース情報を見たときに「軽量化」と「クッション性の向上」が図られていると知り、購入を決意。

個人的には、シューズに求める条件の中で「軽さ」が最重要ポイント。軽量化されたことが、今回の購入を決めた最大の理由。

軽さは正義。

ボストン13の特徴とスペック

ここからはボストン13の細部を見ていく。

トゥ側

大幅なアップデートがあった、10からロゴ等のデザインは変わったものの、形状に大きな変化はない。

ミッドソール

ソールは定番のLightstrike 2.0とLightstrike Proの2層構造。しかも、今作よりLightstrike Proの割合が13.8% 増量し、軽量化に加え、クッション性や反発性も向上している。さらに、全体的に層が厚くなったことで、フォアフットだけではなく、すべてのランナーにいい影響がありそう。

ヒール側

前作に見られたかかとにあった、折りたたみのヒールタブがなくなり、すっきりとした印象。

ちなみにヒールの高さは36mm

アウトソール

今回大きく変わったのがアウトソール。

定番のContinental(コンチネンタル)ラバーの面積が小さくなった。

代わりにLIGHTTRAXION(ライトトラクション)が多く採用されている。
グラスファイバーも中足部に顔を覗かす。

自分の持っているアディゼロジャパン9も同じような形状で、最近のアディゼロシリーズの流れになっている。

アッパー

軽量性と通気性を兼ね備えた、エンジニアードメッシュを採用。やや硬さは感じるものの許容範囲内。

ヒールカップ

小さいながらも、反射板もあって夜のランニングもサポート。

硬さもそれなりにあって、サポート性も悪くなく、履く前からフィット感への期待が持てる。

履き口

シュータンとアンクルパットは、分厚目のクッションパッドになっていて、やはりフィット感へ期待が増す。

インソール

インソールは着脱可能になっている。

重さ

重さは26.0cmで246g
ボストンシリーズは10以降、重量級の印象があったけど、ようやく250gを切って軽くはないけど、重くもないシューズに。
個人的に250gを超えると重く感じるので、これは嬉しいポイント。

サイズ感&フィット感

自分は普段は大体のシューズは26.0cmの普通幅を履けば問題ない。
ということで、今回も例に漏れず26.0cmを購入。(現段階ではボストン13は普通幅のみ)

思った通り、クッションパッドが感じれてフィット感は期待通り良かった。足先も問題なく、26.0cmで問題なし。
参考程度にこれまでレビュー記事はこちらから↓
これまでのシューズレビュー

ボストン13で実際に走った感想

フィット感が抜群

履いてみてまず最初に感じたのが包まれるようなホールド感。分厚目のクッションパッドがフィット感を倍増してくれている。ヒールカップもしっかりとした作りで安定感もある。

反発力がいい

カーボン入りシューズではないものの、それなりに反発をもらえるので、自然とペースは上がった。これぞ走っていて気持ちの良いシューズ。

クッショニングもいい

以前の履いていた、ボストン11だと少し硬い印象があったけど、ボストン13は硬すぎず柔らかすぎずでちょうどいいクッション性。沈み込みはあまり感じられないけれど、着地の衝撃はある程度緩和してくれているので、足への負担も軽減してくれる。

転がるように走れる

カーボンファイバーではなく、グラスファイバー製の「Energy Rods 2.0」がフルレングスで内蔵されていて、推進力にも優れている印象。ドロップは前作よりも低ドロップで6mm(ヒール36mm/前足部30mm)だけど、反発のおかげかゆっくり走っているつもりでも、自然と足は回転してくれた。

スロージョグだとやや重い

自分がシューズの重さが気になるというのもあるけど、スロージョグの場合はやや重さを感じた。とはいえ、嫌な重さではなくある程度回転してくれるので、長時間でも問題はなし。
実際に20km走ってみたけど、全く問題なかった。

あらゆるトレーニングに

26.0cmで246gと決して軽くはないけど、スプリントにも対応可能で、このシューズ一つであらゆる練習に対応できる。極論を言えばこのシューズ3足くらい買って、履き回すだけでも十分。となると、ブログをやってる身としては面白くないんだけど…

ボストン11との比較

以前保持していたボストン11との比較で大きく変わったと感じたのは下記の3つ
記憶が曖昧な部分もあるけど。

  • 重量が軽くなった
  • 転がり方がより自然に
  • 硬さが軽減され足に優しく

ここは大きな進歩というか変更点で、公式比較で20g近い軽量化に成功。履いていても真っ先に感じる点で走りの軽さを一番に体感できる。また、以前は転がるというよりも、より走らされている印象で、ボストン13は自然と走れるようになった。あと、一番気になっていたのがソールの硬さ。もしかすると走力が足りてなかっただけかもしれないけど、ボストン11は10km以上走ると走り終わったあとにいつも足裏に痛みを感じていた。ボストン13はすでに20km走も行なっているので心配なさそう

スペック比較

項目ボストン11ボストン13
発売年2022年2025年
ミッドソール構成Lightstrike Pro + LightstrikeLightstrike Pro + Lightstrike 2.0
Energy Rodsグラスファイバー製(5本)グラスファイバー製Energy Rods 2.0(5本)
アウトソールContinentalラバーLIGHTTRAXION + Continentalラバー
重量(27cm)約270g約255g
ドロップ約8~10mm6mm(ヒール36mm/前足部30mm)
定価18,700円18,700円

比較からも分かる通り、大きく変わったのは「重量」「ミッドソール」「Energy Rods」
正統進化といってもいいくらい、すべてが良くなっている。また、価格も3年前と同価格なのもいい。
ちなみにボストン12も同価格だった。

アディゼロ SL2と比較してみた

次にアディゼロシリーズの中でも市民ランナーの一番味方になってくれているSL2と比較してみる。
どちらもジョグ用シューズとして位置づけられているが、履いた感触はかなり違う。

万能シューズという印象だが、使い分けるなら、

  • ボストン13:レース~練習まで幅広く
  • SL2:コスパ重視。ジョギング~スピード練習までカバー

という感じ。
用途や走り方で選択肢が変わるから、次にもう少し細かい違いを見ていこう。

履き心地の違い

ボストン13はミッドソールにLightstrike Proが増量されていることもあって、クッション性が高い。走っていると足裏にしっかり反発が返ってきて、前に進む推進力を強く感じる。足の返りもよく、ロングジョグやレースで疲れにくいのが特徴だ。
一方SL2はLightstrike Proがフルレングスで入っているが、Energy Rodsはなく、ソールはやや硬め。安定感を重視した設計で、ジョグペースからスピード練習まで幅広く対応できるバランスの良さがある。特にピッチを上げたいときに踏ん張りが効く。

重さの比較

ボストン13の重量
SL2の重量

実測重量はボストン13の方がSL2より少し重いが、その分推進力が高い。軽快に走りたいならSL2の方が有利だが、推進力重視ならボストン13がいい。

アディゼロ ボストン13はどんな人に向いてる?

誰もに使ってほしいほぼ万能シューズというのがボストン13に対する個人的な感想。
でも、市民ランナー目線だと1足目ではなく、2足目もしくは3足目に履いてほしい。
というのも、やはりグラスファイバーが入っていたり、ミッドソールの構造が中級者~上級者のような造りなので、1足目だとややハイスペックな気もする。

ボストン13はレースでも使えそう

ボストン13は間違いなく進化していた。
フィット感、反発、クッション、推進力。どれも高水準でバランスが良く、市民ランナーの自分にとっては十分すぎるほどの性能だった。

ジョグからロング走、テンポ走やレース本番まで、これ一足でいける安心感がある。
もし次のレースに向けて「相棒」を探してるなら、選択肢に入れて損はない。

とはいえ、やっぱりもっと軽さを求めるならタクミセンも気になるところ。
そろそろ新作が出そうなタイミングかもやし、出たら買ってレビューする予定。
アディゼロ沼、まだまだ抜け出せそうにないな…