先日、初めてタイ・バンコクを旅行する機会があった。
せっかくなので、観光だけでなく、現地でのランニングも楽しみたいと思い、中心街にある有名な公園を走ってきた。
今回走ったのは、ベンジャシリ公園、ベンジャキティ公園、そしてルンピニー公園の3つ。
いずれもアクセスが良く、バンコクのランナーに人気のコースだ。
今回は、それぞれの公園の特徴や走りやすさを含めて、バンコクのランニングコースを紹介していく。

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タイのランナー人口は日本以上
タイのランナー人口は推定約1600万人。人口が約7000万人なので、およそ23%にあたる。
一方、日本のランナー人口は約1000万人。こちらも多いが、人口比で見てもタイは圧倒的に高い割合を誇る。
その理由のひとつは、タイではランニングイベントが非常に盛んで、スポンサーや自治体が積極的に開催していること。さらに早朝や夕方の涼しい時間帯に走る文化や、SNSでラン仲間とつながる習慣が根付いていることも大きい。
走りやすい時間帯は限られる

タイは一年を通して暑い季節が続くため、走るなら時間帯の工夫が必須。狙い目は以下の3つ。
- 早朝5:00〜7:00
気温25〜28℃、湿度80%前後。最も涼しく、日差しも弱い。交通量が少なく現地ランナーも多い。 - 夕方18:00〜20:00
気温29〜31℃、湿度70%前後。日差しはなくなるが熱気は残る。公園は賑やかでナイトラン向き。 - 夜20:00以降
気温28〜30℃、湿度70〜80%。比較的涼しいが蚊が多く、暗い道では注意が必要。
日中は日本人にとってはかなりきつく感じる暑さなので避けたほうが無難。
治安は悪くないとされるが、夜遅くのランは土地勘がないと不安。今回は観光との両立も考えて、早朝ランを選んだ。
ランニングスポット紹介
ベンジャシリ公園

MRTクイーンシリキット・ナショナル・コンベンションセンター駅から徒歩すぐ。
外周5.7kmの巨大な公園で、バンコクでも有数の広さを誇る。
池の周りを走るコース、公園全体を回るコース、自然の中を抜けるコースなど、ルートのバリエーションが豊富。
ベンジャシリ公園よりも人は多いものの、コースが分散しているので窮屈さはあまり感じなかった。
夕方になると空が赤く染まり、景色がより映えるらしい。
ベンジャキテイ公園

ベンジャキティ公園は、MRTクイーンシリキット・ナショナル・コンベンションセンター駅から徒歩すぐ。
外周は約5.7kmで、バンコク市内でもかなり広めの公園になる。
池の周囲を回るルート、公園全体をぐるりと巡るルート、木々に囲まれた自然の小道など、コースはかなり多彩。
人はベンジャシリ公園より多めだが、道幅が広くて分散している分、混雑感はあまり感じなかった。
夕方になると空が赤く染まって、公園の景色もより映えるらしい。
ルンピニー公園

ルンピニー公園へは、MRTルンピニー駅やシーロム駅からアクセスできる。
バンコクで最もランナーが集まると言われており、外周は約2.5kmと程よい距離感だ。
公園内にはランニングクラブの集団やウォーキングを楽しむ人、黙々と走るぼっちランナーまで、多様な人々が行き交っている。
また、屋台や売店も点在しており、給水や軽食に困ることはない。噂によれば、美味しいクロワッサンを売っている店もあるらしい。
実際に走ったコース体験記
今回は気温や走りやすさを考えて早朝ランをチョイス。
8月のバンコクは日の出が6時と遅め。暗い時間に知らない街を走るのは少し躊躇して、スタートは6時すぎに。結果的に5時スタートでもよかった気はするけど、初日はこれで正解だったと思う。
まずはベンジャシリ公園

スタート地点はプロムポン駅近くのホテル。

バンコク最大の幹線道路「スクンビット通り」を横断すると、ビル群の真ん中にぽっかり現れるのがベンジャシリ公園。

今回紹介する公園の中では最も小さいけど、一周約600mはデイリーランにちょうどいい距離。

大会が開催されている雰囲気もあって活気があり、テニスコートやバスケットコート、トイレも完備。軽く一周して次へ。
ベンジャキティ公園経由でルンピニー公園へ

スクンビット通りを西へ走り、やがてラッチャダーピセーク通りを左折。

早朝ということもあって交通量は少なく、道幅のわりに快適に走れるルートだった。
しばらく進むと歩道橋が見えてきて、そこを渡ればベンジャキティ公園…のはずだったが、気づけば通り過ぎてしまっていた。

仕方なく横断歩道を車の合間を縫ってダッシュで横断。昼間だったら確実に渡れなかったと思う。

横断歩道を渡るとまもなくベンジャキティ公園到着。


途中にあった、モニュメント的なものを横目に外周の池を半周してから森を抜け、ルンピニー公園を目指す。


地元の人から「遊歩道で近道できる」と聞いたが、工事中で途中までしか行けず。

市場を抜けて向かうことに。
ちなみに、この市場は早朝から飲食が始まっていて、日本人感覚だと青空レストランに少し抵抗を感じるかもしれない。でも治安は悪くないので安心して走れる。
ルンピニー公園


市場をすり抜け、大通りの歩道橋を渡ると、いよいよバンコクのランナーが集まる聖地に到着。
この時点でまだ7時前だったが、空もすっかり明るくなり、人も車も増えてきていた。

入口付近には車や警備員の姿もあり、人の多さに「マラソン大会でもやってるのか?」と思ってしまうほどの賑わい。

園内に入ると、次々とランナーが駆け抜けていき、その勢いに圧倒された。



一周走るだけでも、太極拳をしている集団や屋台、トイレ、王様の像など見どころが多く、ランニングと観光が同時に楽しめるような公園だった。
休憩後、再びベンジャキティ公園へ

ルンピニー公園内でも水は買えるが、スポドリが欲しくて近くのセブンへ。
ゲータレードを購入したけど、アメリカンな甘さが強めで好みは分かれそう。補給後は復路へ。


来た道を戻らず、ローカルな道を冒険心で選択。歩行者も多く走りやすい雰囲気だった。


ラーマ4世通りを抜け、「タイ タバコ公社 本社」や「クイーン・シリキット国際会議場」を通過し、再びベンジャキティ公園に到着。

今回は南側の池の残り半周をラン。突き出した島のようなエリアもあり、距離を稼ぐのにちょうどいい。

アヒルボートなどもあって家族連れでも楽しめそうな公園だった。
合計13.3km、約1時間30分

休憩を挟みながら、ゆったりとしたペースで3つの公園をめぐる贅沢な朝ラン。
今回は1日しか走れなかったけど、それぞれの公園をじっくり走る日を作れば、さらに面白いバンコクランになるはず。身近にこれだけ走りやすい公園があるのは、本当に羨ましい。
目的別おすすめ公園まとめ
サクッと走るなら(ベンジャシリ公園)

外周が短く、ちょっとだけ走りたいときにぴったり。距離を決めず、気分転換感覚で走るのにちょうどいいサイズ感。
距離を踏みたいなら(ベンジャキティ公園)

バンコク最大の敷地を誇り、外周だけでも5km以上。ロングランにも最適で、ランナーは多いけど敷地が広いから走りやすい。
雰囲気を楽しみたいなら(ルンピニー公園)

写真や動画で見たことがある人も多いはず。朝から多くのランナーが集まり、一日の活力をもらえる。多種多様な人とのすれ違いも楽しい。
毎日走るなら(ベンジャキティ公園)

ロングランもポイント練習も、この公園だけで完結可能。池の周りや森のコースなどバリエーション豊富で、人の多さもちょうどいい。
まとめ

バンコクは一年中暑く、日本とはまったく違うランニング環境だが、その分ランナー文化が根付いていて、公園やコースの整備も充実している。
今回走ったベンジャシリ公園、ベンジャキティ公園、ルンピニー公園は、それぞれ個性があり、目的や気分によって使い分けられるのが魅力だ。
短距離でも長距離でも、早朝でも夜でも、自分のスタイルに合わせて走れる環境が揃っているのは正直羨ましい。もしバンコクを訪れるなら、観光だけでなくぜひランニングシューズも持参して、この都市ならではのランニングを味わってほしい。
そして、どれか一つしか行けないなら迷わずルンピニー公園へ。朝から集まる大勢のランナーに囲まれる体験は、きっと旅の思い出に残るはず。