今年はとにかくアディゼロシリーズを購入している。
ジャパン9とボストン13に続いて3つ目。とにかくアディゼロシリーズが気になる。
今回レビューするのは、アディゼロシリーズの中でも上位に位置する「タクミセン11」。
レーシングシューズとしても使える、反発性と軽量性を兼ね備えたシューズで、サブ3.75の自分でも扱えるのか?
という気持ちもあったけど、別にランニングシューズくらい好きなの買えばいいじゃんと自分を説得させた。
そんな少し手を出しにくそうな気配を出しているタクミセン11を今回はレビューしたい。

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アディゼロ タクミセン11の特徴

タクミセン11は、アディダスが2025年に発売した、今流行りの厚底よりは少し薄めの中厚底高速ランニングシューズ。
メーカーの発表では駅伝やハーフマラソン用に設計されたモデルらしい。
- 軽量で高反発
27.0cmで約188gと非常に軽量ながら、クッション性と反発性の両方を持っている。 - 最新ミッドソール素材
LIGHTSTRIKE PROミッドソールを全面搭載し、柔らかさと推進力を両立。 - 樹脂製のENERGY RODS2.0
前作同様に五本指形状のロッド(カーボンではなくグラスファイバー・樹脂)が敷かれ、適度な屈曲性を持つのが特徴。カーボンプレートの硬さが苦手なランナーも選択肢に入る。 - アッパー構造
軽量ストレッチのLIGHTLOCK素材+ロッキングバンドで足のフィット感および安定性も向上。
アディゼロ タクミセン11のディテール
ミッドソール


フルレングスでLIGHTSTRIKE PROを採用。
前作のタクミセン10やジャパン9と同じ素材だが、ヒールの高さはそれらよりも高い33mmになっている。
アッパー

軽量ストレッチのLIGHTLOCK素材を採用。
さらにロッキングバンドを搭載し、高速時のホールド感が向上している。
アウトソール

定番のコンチネンタルラバーの比率を減らし、新素材のLIGHTTRAXION(ライトトラクション)を採用。
この流れは昨年から続いていて、アディゼロシリーズの新定番になりつつある。
ヒールカップ

レーシング寄りのモデルらしく、スッキリとした作り。
軽量化を重視しているため、ヒールで強いホールド感を出すのは難しそうで、手で押すと柔らかい印象。

プルタブを上げると「88:88」「戦」の文字が隠れており、遊び心が感じられる。
履き口・シュータン

シュータンはサイドガセット仕様(両側がアッパーとつながった構造)で、ズレを防ぎフィット感を高めている。

内側にはクッション材があり、見た目よりもホールド感は良好。
デザイン
アディダスらしいスリーストライプスを強調。
ミッドソールに線がはみ出すデザインは最近の流行りだが、全体の印象は他モデルと似ていて、シューズに詳しくない人からすると判別は難しいかもしれない。
まあ、最近はどのメーカーも似た雰囲気になりがちだが。
重さは26.0cmで173g

26.0cmで173g(公式発表27.0cmは188g)。
厚底シューズ全盛の今では、見た目から軽さを感じにくいが、実際に持つと驚くほど軽い。
その分、耐久性は気になるポイントで、今後の使用を通じて確かめていきたい。
サイズ感

普段は26.0cmの普通幅を選べば問題なく履けているが、今回も同じく26.0cmを購入。
- 履くときはやや窮屈 → シュータンがアッパーとつながっていて伸縮性が少ないため。
- 実際に履いて走ると、窮屈感はあまり感じない。
- つま先はジャストサイズ → 0.5cm上げても良さそうだが、遊びが多いのも嫌なので26.0cmで満足。
※甲高ランナーの場合は、シューレースでの調整が必要になりそう。
参考までに、これまでレビューした他シューズのサイズ感は以下からチェックできる。
→ これまでのシューズレビュー
フィット感

- 軽量モデルらしく、ホールド感はやや物足りない
- かかと部分のクッション材が分厚めで、わずかに違和感あり
- 長時間走っていると「脱げそうかな?」という不安はある
ただしこれは軽量レーシングモデルにはよくある特徴で、実際に走ってみて初めて分かる部分でもある。
実際に走ってみた感想

反発力が高い
一番の特徴は圧倒的な反発力。
Lightstrike Proが前面に採用されているため、軽めの着地でもしっかりと推進してくれる。ENERGYRODS 2.0との相乗効果で、前への推進感が強い。
クッション性あるけど、やや不安定
ヒール高33mmの中厚底シューズらしくクッション性は十分。
ただし柔らかめのため、接地時にやや不安定さがあり、特にヒールストライクでは顕著。スピードを上げてミッド〜フォアフットで走ると気にならない。
ヒールが内側に傾いている感触
ソールの設計が真っ直ぐではないため、ヒール着地だと内側に傾く感触がある。これが不安定さの正体で、推進力を生む設計の裏返し。慣れれば履きこなせそう。
ピッチが自然に上がる
反発と推進力の効果で自然とピッチが上がり、リズムよく走れる。
フォアフット着地を意識すると、軽快にスピードに乗れる感覚がある。
フルマラソンはまだ不安
公式には10km〜ハーフ推奨だが、YouTubeではフル対応という声もある。
ただし、それはサブ3前後のエリートランナーが多く、自分(サブ3.75)だとフルはまだ不安。まずはハーフまでが現実的。履きこなせればフルでも試したい。
参考:YouTube「タカヤマラソン」さん
走るとホールド感は気にならなくなる
静止時はかかとのホールドに不安があったが、実際に走ると全く問題なし。
むしろ締めすぎると足が痺れるので、シューレースは普段通りでOK。
どんなランナーにおすすめ?

タクミセン11はレーシング寄りの軽量シューズだが、スピード練習などポイント練習では幅広いランナーにおすすめできると感じた。
自分自身もスピード系のメニューで活用しつつ、ハーフマラソン本番でも使う予定。
- スピード練習を取り入れている人
インターバルやペース走で反発力を体感したいランナーにぴったり。 - 10kmやハーフマラソンでタイム更新を狙う人
中距離レースで爆発的な推進力を発揮してくれる。 - カーボンプレートの硬さが苦手な人
ENERGY RODSはしなやかさがあり、カーボンのガチガチ感が合わない人にも扱いやすい。 - サブ3〜サブ3.5ランナー
自分のようなサブ3.75でも履きこなせるが、特に力を発揮するのはサブ3前後。
まとめ

アディゼロ タクミセン11は、軽量性と反発力を突き詰めたレーシング寄りのシューズ。
サブ3ランナーだけでなく、自分のようなサブ3.75ランナーでもスピード練習や10km・ハーフのレースで十分楽しめると感じた。
反発力の高さやピッチの上がりやすさは魅力だが、ヒールストライクでの不安定さや耐久性には注意が必要。
ジョグやロング走には向かず、用途を絞って履くのがベスト。
他のアディゼロシリーズとのざっくり比較
- SL2:ジョグや普段履きにちょうどいいエントリーモデル
- ジャパン9:スピード練習やレースデビュー向け
- ボストン13:ロング走やサブ4〜サブ3.5のフルマラソンに最適
- タクミセン11:10km〜ハーフで爆発的なスピードを出したいレーシングモデル
用途ごとに使い分けることで、アディゼロシリーズを最大限に活かせると思う。
最後までお付き合いいただき感謝。これからも気が向いたらのぞいてくれると嬉しい。