【大会レポート】びわ湖マラソン 2025 2年ぶりのフルマラソンでリベンジ達成

2025年3月、滋賀県で開催されたびわ湖マラソン 2025に出場してきた。目標は3時間50分切り。冬のあいだしっかり走り込んだし、気象条件も悪くない。あとは自分の走りをするだけ。結果としてはサブ3.75を達成できたけど、その背景にはいろんな気づきがあった。このレポートでは、当日の流れと自分の感じたことを、スタート前からゴール後まで振り返っていく。

第一回の記事もあるので、お時間のある方はぜひ合わせて読んでもらえると嬉しい。

びわ湖マラソンとは

滋賀県で行われる最大のマラソンイベントで参加者は約7000人の中規模〜大規模大会。
以前はびわ湖毎日マラソンという実業団選手や上級市民ランナーしか出られない大会だったけど、様々な理由で大阪マラソンと統合されるかたちに。
そして2023年に第1回大会が開催され、2025年には無事第3回目を迎えた。

前週や前前週に東京マラソンや大阪マラソンが開催されるということもあり、実業団選手を見かけることはあまりないが、滋賀県最大の市民マラソンとして定着しつつある大会。

びわ湖マラソンの魅力は?

主な特徴は以下のとおり。

  • ほぼフラットの平坦コース
    高低差はわずか10mほど。橋のアップダウンはあるが、全体としてはフラットで、初心者から記録を狙うランナーまで走りやすいレイアウト。
  • 琵琶湖と山々の景色が楽しめる。
    コース上からは雄大な琵琶湖はもちろん、比叡山や比良山系の景色も楽しめる。風景を楽しみながら走れるのは大きな魅力。
  • 地元グルメエイドが充実
    お餅、パン、メロンジュース、そして近江牛のローストビーフまで。滋賀のご当地グルメがたっぷり用意されていて、補給しながらテンションも上がる。
  • 今大会から多くのペーサーを導入
    3時間00分〜6時間00分まで10区間に分かれて、ペーサーが配置されている。エリートレベルこそいないが、多くの市民ランナーにとって心強い存在だった。

2時間台のペーサーはいないけれど、市民ランナーにとってボリュームゾーンである各目標タイムにペーサーがいてくれるのは非常に心強い。

びわ湖マラソン 2025のコースの特徴

※会場にて撮影

スタート地点:皇子山陸上競技場
ゴール地点:烏丸半島

大津市の皇子山陸上競技場をスタートし、草津市のai彩広場とメロン街道でそれぞれ折り返し。
その後、ゴール地点の烏丸半島をぐるっと一周し、琵琶湖大橋の手前で3回目の折り返し。
そこから再び烏丸半島へ戻る、折り返しを繰り返すコース設定となっている。

ほぼほぼフラットで、アップダウンで気になるのは3箇所ほど。

  • 近江大橋(7km付近)
  • 帰帆南橋と帰帆北橋(11km~12km地点)
  • ゴール直前の上り坂(42km地点)

といっても、本当にそんな大げさな坂ではなく、フラットの中にちょっとしたアップダウンがあるという感じで、あんまり気にしなくても大丈夫。最後の坂だけは力の残り具合によっては堪えるかもだけど。

いざレース会場へ

最寄り駅はJR大津京駅と京阪大津京駅の2つ。
県外から参加する人はJR大津京駅を利用する人が多そう。

駅からは徒歩5分もかからずに、皇子山陸上競技場にアクセスできる。
交通手段は徒歩のみで駐車場はなし。といってもスタートとゴールがかなり離れているので、車できても不便。
ゴール地点のアクセスの悪さはなんとかしてほしい。

荷物をあずけて待機場へ

スタート15分前の8時5分までに待機場所に入っていないと、最後尾スタートになってしまう。
荷物預けの締切は7時50分だが、トイレの混雑を考えると、できれば7時40分頃までに預けておきたい。
どのトイレも行列で、うっかりしているとスタートに間に合わなくなる可能性がある。
スタートで遅れを取らないためにも、余裕を持った行動をおすすめしたい。

スタート地点へ

自分はCブロックスタートだったので、トラックではなくインフィールドで待機。

また、午前8時ということもあって、気温は3度と低くレインコートやゴミ袋で寒さ対策をしている人も多かった。7000人規模ということもあって、さすがの人だかり。冷静に考えるとこんなにランナーがいることに驚きつつも、自分も含め今から42km走るなんて、ほんと変人の集まりだなーと心のなかで思ってた。

レース振り返り

レーススタート

Sブロックを皮切りにいよいよレーススタート。
自分はCブロックなので、5分〜10分くらいロスするかなと思ったけど、約3分遅れでスタートラインを通過した。
まずは、陸上トラックを300mほど走りいよいよロードに。

運営側もレインコートを着ている人が事前に多いことを予測してか、ダストボックスや係員の人が受け入れてくれたりと、ランナーに取っては非常にありがたかった。あと、S~Bでスタートした人たちのジェルがいたるところに落ちていて、もったいないなー、拾いたいなーと思いながら走ってた。

〜5km 3時間45分ペーサーを見つけたい

陸上競技場をでてすぐは非常に混雑していて、最初の1kmは5分40秒と想定より10秒以上のタイムロス。

ただそこは焦らずに、まず初めに考えたことは目標の3時間50分よりは少し速いですが貯金を作ることも考えて、Bブロックの最後尾からスタートしている3時間45分のペーサーを探すことに。なぜか目標を上方修正…

ただ、ペーサーらしき人がなかなか見つからず、マイペースで刻むことを3km地点で決意。
5kmの通過タイムは約27分(ネット)と1km5分24秒ペース。順調のひとこと。

〜10km

7km付近で最初の難所である近江大橋を渡る。歩道もあり普段でも走ることは可能だけれど、車道を多くのランナーと一緒に走るのはやはり新鮮。

橋を渡り、イオンモールも回りながらいよいよ琵琶湖沿いコースに突入。

10kmの通過タイムは53分(ネット)1km5分12秒にペースアップ。今日は調子がいいかも。

〜15km

10km過ぎには2つ目の難所、帰帆島にかかる南橋と北橋の2連続の坂が待ち構える。おそらくこのコースにおいて、一番の傾斜となっているけど、序盤ということもあり、全然苦しさは感じなかった。後半だともしかすると挫けてたかも…

〜中間地点

湖岸道路を5kmほど走った後にメロン街道からai彩広場を折り返す、田んぼ道をスライドしながら爆走。
ai彩広場では音楽隊の応援もあったり、元気づけられた。

メロン街道のエイドでは地元の名物メロンを絞ったジュースも提供されていて、せっかくなので一杯いただくことに。ただ、めちゃくちゃ甘かった、水とセットでもらうのがおすすめ。

ここまでの通過タイムは1時間51分
頭の中で計算して、あれっ!3時間45分イケるやん!と思い、足の調子も悪くなかったので、目標を改めて上方修正することを決意

〜25km

中間点を過ぎ、メロン街道のエイドを抜けてからは再び湖岸道路。
ゴール地点の烏丸半島を目指し、琵琶湖の景色と比叡山を見ながら淡々と走る。ただ、車道が普段は信号もあまりなく、スピードが出るということもあって、カーブが傾斜していてサーキットでいうバンクのように感じた。
そのあたりが地味に走りづらくかった。

〜30km

25kmを過ぎたあたりで、ゴール地点の烏丸半島を一度通過する。
目の前にゴールがあるのに、まだたどり着けないのは、正直つらい。

この時点でスタートから約2時間30分。トップ選手はすでにゴールしていた。
「エリートランナーはやっぱり次元が違うな」と思いつつも、自分は自分。
あらためて気持ちを切り替えて、ゴールへ向けて走り出した。

烏丸半島のエイドにも滋賀県名物の「サラダパン」が提供されていて、一つもらったけどめっちゃ美味かった。ただ、これも口の中がパッサパサになるので、水分必須。

サラダパン
滋賀県長浜市にあるつるやパンで作られている、コッペパンにたくあんとマヨネーズ和えたものが挟まれている、名物パン。
一見ミスマッチにも思える組み合わせだが、酸味と甘味が融合されてクセになる味わいに。県外からのファンも多い。

〜35km

SGホールディングスグループ陸上競技場のトラックを目指し、湖岸沿いをひた走る。
なんといってもそこにはびわ湖マラソンで一番豪華な補給食「近江牛ローストビーフ」が提供されている。沿道で応援してくれている人の中には、ローストビーフまであと◯kmというプラカードを持っている人も何人か見かけた。

また、烏丸半島を抜けてから沿道の応援が少しすくなくなるのですが、35km前後で再び応援してくれる人が増え、ゴールまでのパワーを与えてくれます。

35km地点でのタイムは3時間4分
残り約7kmを40分、1km5分40秒でいけば3時間45分でゴールできる。足はさすがに疲れているけど、タイムはそんなに落ちていないし、問題ない!と最後の力を振り絞ってゴールへ。

〜40km ついにペーサーが視界に

35km付近の陸上競技場を抜けると、再び湖岸沿いにもどりゴールである烏丸半島を目指す。後続のランナーさんとスライドし、変な一体感を覚えながら走る。

と淡々と走っているとついに視界にペーサーに風船らしきものが目に入ってきた。
足はいつ攣ってもおかしくない状態だったけど、せっかく見つけたペーサーを逃すまいと無理せず1kmずつ距離を詰めていく作戦に。

ゴール ついにペーサーを追い抜いた

40kmを過ぎるとゴールはすぐそこ。41km付近でようやく3時間45分のペーサーに追いつくことができた。5人〜7人くらいの少ない集団だったけど、先頭で声をかけあっていて「もう目標達成は間違いないです!慌てずいきましょう」と聞いて追い抜こうとした気持ちをグッとこらえて、付いていくことに。この一声のおかげで冷静になれた気がする。

最後の難所の坂を越えるとゴールだけど、この何でもない坂が41kmを走ってきた足には堪えた。最後の力を振り絞り、たくさんの応援をいただきながらようやくゴール!長い道のりだったが3回目のフルマラソンにして初めて一度も歩かずにゴールすることができた。

3時間40分37秒で見事自己ベスト更新

記録はネットタイムで3時間40分37秒とこれまでの自己ベストが3時間56分を大幅に更新することができた。グロスでも3時間43分とネットタイムとともに3時間45分切り達成!

これまでのフルマラソンは自分の走力以上に前半に突っ込むことが多かったけど、今回は最初から最後までほぼイーブンペース。一番速かったラップが42kmと余力というより気力を振り絞った。

後半きつかったけど、ペースを維持することができたのは、本当に嬉しくてますますマラソンの魅力に取りつかれそう。

完走メダルとタオル

ゴール後には、スタッフの方からタオルとメダル、そしてポカリスエットが手渡された。
ヘトヘトの状態で「お疲れ様でした」と声をかけてもらい、そのひと言が本当に沁みた。感謝の一言では言い表せないくらい、嬉しかった。
それから、スタートとゴールでMCをしていたDJケチャップさんの掛け声もすごく胸に響いた。

フルマラソンは自己満足の世界かもしれない。けれど、この日ばかりは「走ってよかった」と心から思えた。

ゴール後は船に揺られて温泉へ

ゴール後は手荷物を受け取り、ランナー限定で配られていた、おにぎりと豚汁が美味しくいただいた。他にも有料のキッチンカーも多く出店されていて、滋賀県のグルメを堪能できる。

ただ、ゴール地点の場所が最寄り駅からも遠く、走り終えた状態での徒歩は難しく、移動手段は無料のシャトルバスもしくは有料で琵琶湖を船に揺られながら大津港か温泉チケット付きのピエリ守山港にいずれかに。

自分は3000円と少し高めだったが、マラソン後の疲れを癒やすために、温泉チケット付きのピエリ守山港を選んだ。
琵琶湖を眺めながら船に揺られるのも新鮮で、温泉では他のランナーたちも疲れを癒やしていた。

ピエリ守山は車での来場が前提の立地で、アクセスはあまり良くない。
そのため帰りは、守山駅か堅田駅行きの無料シャトルバスを利用することにした。

びわ湖マラソンを走り終えての感想

フラットコースで走りやすいが、琵琶湖沿いの傾斜には注意

高低差は10mもなく、多少のアップダウンはあるものの、全体的にフラットで本当に走りやすいコースだった。
ただ、唯一気になったのは、車道の傾斜。スポーツカーのバンクほどではないが、長く走っていると脚の外側や内側に負担がかかり、後半は足首が攣りそうでヒヤヒヤした。

8時20分スタートは好印象

比較的早い時間帯のスタートだが、3月上旬は日中に気温が上がることもあるため、気温が低めの時間に走れるのはありがたい。暑さに弱いタイプの自分には、この8時20分スタートは相性がよかった。
ただし、スタート前の待機時間は冷えるので、レインコートなどの防寒対策はあった方がいい。

ゴール地点のアクセスは今後の課題

スタート地点は駅から近くアクセスも良好だったけど、ゴール地点は正直アクセスが悪い。駅から遠く、運営側が手配してくれたシャトルバスが頼りだった。対応には感謝しつつも、できればもう少しアクセスしやすい場所への変更を検討してほしい。

スタッフ・ボランティアの対応が素晴らしい

どの大会でも感じることだが、今回のびわ湖マラソンは特にスタッフやボランティアの方々の対応が丁寧だった。荷物の受け渡しもスムーズで、ストレスなく大会を終えることができた。おかげで走ることに集中でき、本当に感謝している。

比良おろしがなくて助かった

前身のびわ湖毎日マラソンではエリートランナーを苦しめていた、比良山地から吹き下ろす名物の強風「比良おろし」。今回はそれがまったく気にならず、風のストレスなく走ることができた。天候にも恵まれ、まさにマラソン日和だった。アイテム紹介

最後に今大会に使用したアイテムを一通り紹介。

ノースフェイス アクティブライトキャップ

つばが長く、日差しを遮ってくれる。サイズはフリーでアジャスターで調整可能。また、深く被ることもでき、脱げる心配もまったくなかった

UVEX スポーツサングラス

ドイツメーカーのスポーツサングラス。作りはしっかりしていて、かけていても重さは気にならない。
おまけに、偏光レンズ仕様で紫外線対策もバッチリ。目を守ってくれるのが嬉しい。

finetrack ドライレイヤーベーシック

シャツのインナーに寒さと汗対策として着用。汗にお腹の冷えや不快感を極力取り払ってくれる優れモノ。軽量で着心地も抜群。

ノースフェイス ショートスリーブGTDメランジクルー

優れた吸水速乾で着心地も良かった。また、見頃部分が立体裁断で動きやすく軽量な作りでフルマラソンでも十分に使えるアイテム。ノースフェイスは少々高いけど、品質は間違いない。

OLENO(オレノ) アームスリーブ メリノウール

寒さ対策として、スタートからアームスリーブを着用。メリノウールという軽量ながら保温性に優れた素材で、冷え込みをしっかり凌げた。とはいえ、日中は日差しも出て少し暑さを感じる場面もあったが、スリーブを下げればまったく邪魔にならず快適。ちなみに、鼻水を拭くのにも使えて意外と重宝した。

ノース・フェイス エンデュランスボクサーショーツ

以前はCW‐Xのボクサーパンツを使用していたけど、丈が短く股擦れが気になったため、奮発してノースフェイスのボクサーショーツを使用した。丈の長さも絶妙でフィット感もあって、履いているのが気にならないくらい快適だった。

ノースフェイス エンデュリスレーシングショーツ

もはやランナーの中でも多くの人が履いている、マルチポケットパンツ。その中でも個人的にはノースフェイスのエンデュリスレーシングショーツが気に入っていて、軽さと素材が個人的には好み。かれこれ3年くらい使用しているので、そろそろ買い替えを検討中。

Feetures(フィーチャーズ) ELITE LIGHT CUSHION QUARTER

最近気に入っている、フィーチャーズのランニングソックス。何と言ってもフィット感と分厚さが好きで、もう一足買い足そうか本気で考え中。でも、ソックスに2500円はやはり高い。ランニングはお金がかかる。

アシックス マジックスピード4

今季出場した、10km、ハーフ、フルのすべての大会で使用した、自分の本命シューズ。サブ3.5〜サブ4のランナーではS4YOGIRIについで多く見かけた。カーボンプレート搭載でフィット感や造りもしっかりしている中で、それなりに軽さもあってまさにカーボン初心者にはうってつけのシューズ。

アミノサウルスジェル 01/02 2本ずつ

2月に出場したハーフマラソンでも使用したアミノサウルスジェル。今回はフルということでそれぞれ2本ずつの計4本で挑んだ。レースの分岐点となりそうな8km地点で01、21km地点で02、30km地点で01、35km地点で02と交互に摂取。おかげでエネルギー切れを起こすことなく、走りきれた。

最後までお付き合いいただき感謝。これからも気が向いたらのぞいてくれると嬉しい。