ランニングを始める理由で一番多いのが「痩せたいから」だと思う。自分も最初はその目的で走り始めた。けれど4年間続けてみて分かったのは、ランニングだけで劇的に痩せることはないという現実だった。
世の中には「走れば自然に痩せる」と思っている人が意外と多い。でも自分の体験では、体重の変化はせいぜい5kg程度。思っていたほどの変化はなかった。
この記事では、科学的な根拠ではなく、自分の実体験をベースに「ランニングは本当に痩せるのか?」を率直に整理していく。これから走り始める人や、痩せたいと思っている人にはぜひリアルを知ってほしい。

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【結論】ランニングだけでは限界がある

まず結論から。ランニングで痩せることはできるが、その効果には限界がある。体質や元の体型にもよるけれど、多少スリムになったと感じられるくらいまでは可能。でも理想的な体型まで絞るには、結局のところ食事管理が欠かせない。
実際、マラソン大会に出ているランナー全員が細いわけじゃない。汗だくで走っているのに痩せない人は普通にいる。これが現実だ。
結局はカロリー次第

「ランニングしたのに痩せない」と思う人は多い。でもカラダは正直で、すべてはカロリー収支で決まる。
消費カロリー>摂取カロリー
このバランスがプラスに振れれば痩せるし、逆なら太る。それだけの話だ。
ただし問題は、ランニングの消費カロリーが想像以上に少ないこと。計算式で出すとこうなる。
消費カロリー(kcal) = 1.05 × METs × 体重(kg) × 運動時間(時間)
METsとは運動強度のことで、ジョギングならおおよそ7、5kmを30分で走るなら10程度になる。
実際に体重60kgの人が5kmを30分で走った場合、消費カロリーは約315kcal。これはコンビニのおにぎり1.5〜2個分にすぎない。走り終わって疲れている状態なら、簡単に食べ切れてしまう量だ。
数字で見ると余計に現実は厳しい。ランニングで消費したカロリーを取り戻すのは想像以上に簡単だということだ。
5年間の体重変化

「じゃあ実際に5年間走ってきて体重はどうなったのか?」と思う人もいるだろう。自分のざっくりとした記録をまとめるとこんな感じだ。
ちなみに自分の身長は168cmジャスト

| 年 | 体重 | BMI | 走行距離(km) |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 66kg | 23.38 | 1,111.6 |
| 2021年 | 63kg | 22.32 | 1,376.1 |
| 2022年 | 63kg | 22.32 | 1,752.3 |
| 2023年 | 62kg | 21.97 | 1,390.5 |
| 2024年 | 62kg | 21.97 | 1,098.8 |
結果は5年で−4kg。元々ぽっちゃり気味だったのが普通体型になっただけで、いわゆる「ランナー体型」には程遠い。
BMIも22前後で完全に適正体重。理想を言えば59kgくらいに落としたいけど、年齢による代謝の低下もあって、なかなか実現できていないのが現実だ。
効率よく痩せるためには

効率よく痩せるには、結局のところ食事管理がカギになる。
ただし「食べない」とか「極端な制限」はリスクが大きい。ここでは、自分の経験も踏まえて、やめたほうがいいこと・やるべきことを整理してみる。
やってはいけないこと:食べない

真っ先に思いつくのが「食べなければ痩せる」という方法。
でもこれはおすすめできない。栄養失調や筋力・代謝の低下、免疫力の低下、リバウンドのリスクなど、デメリットが多すぎる。
痩せたいなら「食べない」ではなく「食べ過ぎを抑える」が正解。
食事制限の方法

糖質制限は有名なダイエット法で、米・パン・いも類・果物などを控え、肉・野菜・海藻類を中心に食べる方法。
ただし極端な糖質制限はNG。脳のエネルギー不足や筋肉量の減少、便秘や睡眠の質低下などにつながる。
脂質制限もメジャー。揚げ物やバター、脂身の多い肉を控えて、鶏むね肉やささみ、オリーブオイル、ナッツなどに置き換える。
ただしこれもやりすぎは禁物。筋力低下や必須脂肪酸不足などを招くリスクがある。
必ず摂るべきもの:タンパク質

糖質や脂質は調整してもいいけど、タンパク質は絶対に削らない。
むしろ積極的に摂るべきで、目安は「体重×1.5g」。
筋肉・皮膚・骨・血液など、体の大部分はタンパク質でできている。必要以上に摂りすぎるのは良くないが、減らすのは絶対にNGだ。
食べ方の工夫

食べる順番を意識するだけでも効果はある。
血糖値の急上昇を防ぐために「野菜 → 肉や魚 → ごはんやパン」の順で食べるのが基本。
メンタル面の工夫
体重は1日の中でも平気で2kgくらい変動する。
自分も朝は60.6kgだったのに、夜にお酒や食事をとると63kgになることもある。
だからこそ短期的に一喜一憂せず、長期的にトータルで見ていくことが大切だ。
痩せやすいランニングのポイント
効率よく痩せるには、走り方や習慣の作り方を工夫することが大切。自分の経験も踏まえて、効果を実感しやすいポイントをまとめる。
心拍数60%〜70%を意識する

有酸素運動で脂肪が燃えやすいのは、最大心拍数の60〜70%で走るゾーン。
ちなみに最大心拍数の目安
220−年齢
例えば30歳なら190なので、114〜133あたりで走るといい
ペースではなく心拍数を目安にするのがポイント。「◯km走ろう」より「◯分走ろう」と考えると取り入れやすい。
習慣化すること
走る習慣さえ作れれば、太りすぎることはまずない。ただし、気分次第で走るのでは続かない。
「週に◯回」「水曜と土曜に走る」とあらかじめ決めて実行することが大切だ。
ストレッチを取り入れる

ラン前後のストレッチは代謝アップや怪我予防につながる。代謝が高まれば消費カロリーも増えるので、痩せたい人にはプラスしかない。正直自分はここが一番サボりがちだが、効果は大きい。
空腹時のランニング

朝食前の空腹ランは体脂肪をエネルギーとして使いやすくなる。少し早起きして走るだけでも効果を感じやすい。ただし無理は禁物で、低血糖やフラつきが出る人は避けたほうがいい。
筋トレを併用する

筋トレは必須ではないが、取り入れると痩せやすさが段違い。筋肉が増えると基礎代謝が上がり、運動していない時でも消費エネルギーが増える。
筋トレをする人はタンパク質を意識的に摂取すること。プロテインは筋肉の栄養源として相性がいい。
体重とランニングパフォーマンスの関係
体重1kg減るとフルマラソンで3分速くなると言われる。ただし痩せすぎは逆効果で、筋肉量が落ちればタイムはむしろ悪化する。
痩せるために走るのは有効だが、無理な減量は禁物だ。
食事を楽しむために走ろう

最終的に自分がたどり着いた考えは「痩せるために走る」のではなく「食事を楽しむために走る」こと。
走ったあとのごはんやビールは本当に最高だし、走っていれば多少食べすぎても罪悪感はない。
痩せる目的でランニングを始めてもいいけど、続けるうちに「食べたいから走る」という考え方にシフトすると、ずっと楽しみながら続けられる。
健康を維持しつつ、美味しいものを気兼ねなく楽しめるのがランニングの一番のご褒美だと思う。
健康的にランニングを続けるには、やっぱり食事と栄養のバランスも大事。
特にタンパク質は走るカラダづくりに欠かせないから、自分は手軽に取れるプロテインも活用してる。


