ランニングシューズの選び方は難しい。しかも、ランニングシューズは高い。
だからこそ選ぶ上で失敗はしたくない――これが市民ランナーの本音だと思う。
小遣いでやりくりする身としては、1万円〜2万円の出費は正直キツい。
でも、ランニングシューズはほしい。
自分もこれまで、ランニングシューズ選びで失敗してきた経験は少なくない。
けれども、ランニングを始めて5年が経ち、ようやく「どんなシューズを選べばいいのか」が感覚的にわかってきた。
今回は、そんな初心者から少しだけ皮がむけた市民ランナーとして、これから走り出す人に伝えたい「ランニングシューズの選び方」をまとめてみたい。

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結論:最初の一足は「安定感とサイズ感」を最優先に選ぶべき

初心者が最初に選ぶランニングシューズで大事なのは、「見た目」でも「ブランド」でもなく、安定感とサイズ感。
まずは、ケガをせずに走り続けられることが最優先だ。
派手な厚底やカーボンプレートはまだ早い。最初は、クッションがしっかりしていて、足に余裕のあるシューズを選ぶのが正解。
とはいえ、機能面ばかりを重視すると「気に入ったデザインのシューズがない!」というジレンマも出てくる。
だからこそ、自分にとってのいい着地点を見極める目が大切になる。
サイズ感とフィット感の見極め方

ランニングシューズ選びで、いちばん大事なのがサイズと幅。
多くの人が縦(長さ)だけで選びがちだけど、実際は横幅や甲の高さによって履き心地が大きく変わる。
だからこそ、フィット感をしっかり見ることが大切だ。
チェックしておきたいポイント
- つま先:0.5〜1cmの余裕(親指が軽く動く程度)
- 横幅:指先が締め付けられず、左右にゆとりがあるか
- かかと:浮かずにフィットしているか
以前ほど極端ではないけど、やはり国産メーカーのシューズはややワイド寄りで、海外メーカーは細めが多い。
とはいえ、最近は人気モデルでも「Wide」「Extra Wide」「4E」などの展開が増えてきている。購入前に必ず表記をチェックしておきたい。
メーカーによって基準は違うが、一般的には「2E」が標準幅とされることが多い。
自分の足がそれより広いか細いかを知っておくだけでも、選び方が全然変わる。
もし可能なら、店舗で足型測定をしてもらうのがベスト。
サイズ表の数字よりも「履いたときの感覚」を信じた方がいい。
シューズ選びでよくある失敗

ここからは、自分が実際にやらかしてきたシューズ選びの失敗をいくつか紹介する。
これから走り始める人は、同じ轍を踏まないように参考にしてほしい。
見た目と値段で選んでしまう
最初の一足は「かっこよさ」か「安さ」で決めがち。
自分もそうだった。セールで安くなっていたナイキを即買いしたけど、実際に走ると、足に全然合わなかった。
見た目よりも履いてどうかがすべて。試着して少しでも違和感があればやめておいた方がいい。
サイズをジャストで選んで爪をやられる
普段履きと同じサイズを選ぶと、ランでは高確率で失敗する。
走ると足は少し膨張するし、つま先が当たるだけで黒爪まっしぐら。
初心者ほどジャストサイズ信仰が強いけど、ランシューは0.5〜1cmの余裕があって、つま先が自由に動かせるのが理想。
クッション=正義と思い込む
「柔らかい=足に優しい」と思って、ふわふわのシューズを選んだことがある。
結果、安定せずに走りがチグハグに。クッション性は大事だが、支える安定性も同じくらい重要。柔らかすぎる靴はフォームが崩れやすい。
カーボンプレートに手を出す
話題の厚底カーボンはついつい手を出したくなる。
実際に速く走れるけど、走りやすいとは感じにくい。
強力な反発のせいでピッチが上がり、ラン後はむしろ疲労が溜まる結果に。
あれはある程度走れる人が使ってこそ性能を発揮する。初心者のうちは逆効果になることも多い。
走る距離を考えずに選ぶ
ジョグ中心なのにスピードモデルを選んだり、逆にロング走メインなのに軽すぎるシューズを履いたり。
走り方に合っていないと、せっかくの性能も活かしきれない。
まずは自分がどんな走りをしたいかを明確にしておこう。
ワイズやモデルの買い間違い
ネットで買うときにやりがちなのが、ワイズを見落としてしまうパターン。
26.0cmとか27.0cmといった縦のサイズだけ見て、4EやWideの表記を確認せずに買ってしまうことがある。自分も何回かやっている。
それと、人気モデルだと同じ名前でもロード用とトレイル用が分かれていたりする。型番が少し違うだけで用途もソールも変わってくるので、ネットで買うときは表記をしっかり確認したい。
だいたいのショップは未使用なら交換や返品に応じてくれることが多いけど、送料はこちら負担になるケースがほとんど。余計な出費をさけるためにも、購入前にサイズとワイズ、用途をセットでチェックしておくのが無難。
成功パターン:初心者が良いシューズに出会うための考え方

まずは「安定感」を最優先に
最初のうちはスピードよりフォームを整えることが大事。
安定して走れるシューズは、自然と体のブレも減る。結果的にケガも少なく、練習の継続につながる。
クッション性が高く、ミッドソールにある程度の硬さがあるモデルを選ぶと失敗しにくい。
サイズはちょい余裕が正解
0.5〜1cmのゆとりをもたせて、つま先が自由に動くかを確認。
紐をしっかり締めても、足が圧迫されないことが大切。
試着のときは必ず両足で立って、かかとの浮きもチェックしておきたい。
用途を明確にしてから買う
ジョグ用なのか、スピード練習用なのか、あるいはレース用なのか。
目的が決まっていれば、選ぶ基準も自然と絞られる。
最初の一足なら「ジョグ中心で使える万能タイプ」が間違いない。
試着するときは、その場で軽くジョグ
試着のときは、立って終わりじゃなくて、できればその場で少し動いてみてほしい。
店員さんに声をかければ、軽くジョグするくらいなら全然OK。
そのときの足裏の感覚やフィット感は、意外と大きい。
「なんか違うかも」と感じたら、いったん立ち止まって別のモデルも試してみるのがおすすめ。
走ってみたら印象が変わることもあるけど、違和感を無視して買うのは避けた方がいい。
モチベーションも大事にする
とはいえ、結局はほしいと思ったシューズを履いてみるのもあり。
試着のときに感じた違和感が、実際に外で走ってみると気にならないことも普通にある。
やっぱりデザインが気に入っていると、走るのが楽しみになる。
デザイン・性能・フィット感、そのバランスがちょうどいい一足を選べばいい。
初心者のうちは「楽しく、走り続けられること」が一番大切。
初心者におすすめのシューズ5選

ここまでの内容を踏まえて、実際に「初心者が失敗しにくい」と感じるシューズを紹介する。
自分が履いてきたものと、周りのランナーからの評価が高いモデルを両方ピックアップ。
どれも安定感と履きやすさを重視したタイプで、クセがなく扱いやすい。
① アディゼロSL2(adidas)
軽さと安定感のバランスが絶妙。ジョグ中心からポイント練まで幅広く使える万能タイプ。
アディゼロはクセのあるモデルが多い中、SLシリーズは例外的に万人向け。シリーズの中でも唯一初心者におすすめできる一足。
▶ アディゼロSL2のレビューはこちら
② ナイキ ペガサス41
毎年進化しているロングセラーモデル。
柔らかすぎず、初心者でも扱いやすい。デザイン性も高く、モチベーション維持にも◎。
③ ミズノ ウエーブライダー29
国産ブランドらしい安定感が魅力。クッションと反発のバランスがよく、脚への負担も少ない。
初心者ランナーの「とりあえず間違いない一足」として長年人気を集めている。
④ アシックス ゲルカヤノ32
アシックスの安定系シューズの代表格。
特に初心者ランナーの支持が圧倒的で、ケガを防ぎながら長く走り続けたい人に最適。
フィット感とホールド力は抜群で、安心感が違う。
⑤ アシックス GT-2000 14
ゲルカヤノより軽く、クッションと安定のバランスが良いモデル。
フルマラソン完走を目指す段階にもマッチする。
アシックスのラインナップではちょうどいい安定感の位置づけ。
どのモデルも初心者が「走りやすい」と感じやすいモデルばかり。
迷ったら、まずはゲルカヤノかウエーブライダーから選んでみるのが間違いないと思う。
自分もそうだったけど、最初の一足で足をつくると、自然と「次はこんなシューズを履いてみたい」と思えるようになる。
参考までに、自分が実際に使ってきたシューズレビューもまとめています。
▶ シューズレビュー一覧はこちら
よくある疑問Q&A
Q. 厚底は初心者でも大丈夫?
厚底でも全然大丈夫。というか、最近のモデルはほとんどが厚底と言っていいくらい、ソールがしっかりしている。
なので、厚底そのものよりも反発性の強さに注目してほしい。
反発が強すぎるタイプだと、オーバースピードになりやすくフォームが乱れがち。
初心者は、反発よりも安定感を重視したモデルを選ぶのが安心だ。
Q. 靴下やインソールは関係ある?
かなり関係ある。
厚手のソックスを履くとフィット感が変わるし、薄手に変えるだけでもサイズ感は微妙に違ってくる。
自分はインソールを変えたことがないので違いはわからないけど、変えるだけで劇的に良くなったという声は多い。
特に足裏のアーチが落ちやすい人は、サポートタイプを試してみるのもあり。
Q. ネットで買っても大丈夫?
自分のサイズ感が分かっているモデルならOK。
ただ、初めて買うメーカーやサイズ感が分からない場合は、一度店頭で試着してからネットで買うのが安全。
同じ27.0cmであってもブランドによってフィット感は全然違う。
自分はもう慣れてるのでネットで買うほうが多い。
実際、そのほうが値引きやポイントが多く、トータルでは安く買えることが多い。
ただし、買う際は「サイズ」と「ワイズ」には要注意。
自分も一度、間違えてワイドモデルを買ってしまったことがある。
やっぱりほしいシューズを買うのが一番

ランニングシューズ選びって、正直むずかしい。
値段も高いし、履いてみないと分からない部分も多い。
でも、サイズ感と安定感さえ間違えなければ、大きく失敗することはないと思う。
自分も最初は見た目だけで選んでなんか違うなと思ったこともあるし、実際に今でもある。
なんだかんだで、走ってみるまでは自分に合っているのかがわかりにくいのも、シューズ選びの醍醐味だなと感じる。
そして最近思うのは、理屈だけじゃなく「履きたい」と思えるかどうかも大事だということ。
走りたくなるシューズを選べば、それだけでランニングが少し楽しくなる。
最初の一足は、速く走るためではなく、走り続けるために。
そして、自分の気持ちが動くシューズを選んでほしい。
最後までお付き合いいただき感謝。これからも気が向いたらのぞいてくれると嬉しい。





