自分が最も好きなランニングシリーズである「アディゼロ」からアディゼロジャパン9が発売されました。当初は駅伝モデルのみで手に入りにくかったものの、発売から1カ月が経ち、ようやく手に入れることができました。
今回は、大幅に進化を遂げた最軽量シューズ「アディゼロ ジャパン9」の魅力をレビューしていきます。
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アップデートというより“アップグレード”
アディゼロ ジャパン9は、これまで万能シューズとして位置づけられていましたが、今回はスピード特化型へと大きく方向転換。もはや“アップデート”ではなくむしろ“アップグレード”と言うべきでしょう。
これまでの万能ポジションはSL2に譲り、ジャパン9はスピードを追求するシューズとして生まれ変わりました。
シリーズ最軽量
アディゼロの最軽量といえば「タクミセン」でしたが、ジャパン9はそのタクミセンよりも公式の数値で約23gも軽くなっています。文字通りの最軽量モデルです。
公式の重さ(サイズは27.0cm)
タクミセン10(TAKUMI SEN10) 200g
ジャパン9(JAPAN9) 177g
177gという重量は、他メーカーの最上級モデルと比べても遜色ありません。
最上級モデルは敷居が高くて買う気になれないけど、軽量シューズを履いてみたいという方にも定価で17600円のジャパン9は魅力的にうつるかもしれません。
ミッドソールはライトストライクプロ
これまでのジャパンシリーズはライトストライクとライトストライクプロの2重構造でしたが、ジャパン9はフルレングスで軽量性と反発性に特化したライトストライクプロ/LIGHTSTRIKE PROを採用しています。
コンチネンタルラバーはつま先のみ
前足部に採用されていることの多い、高いグリップ力と耐久性が特徴的なラバー「コンチネンタルラバー」。
今作では、使用部分をさらに絞り、前足部の母指球に当たる部分にのみ採用されています。
フォアフット走法を好むランナーにより適した仕様となっています。
接地を感じられる中厚底
厚底シューズがトレンドになって久しいですが、ジャパン9のヒールの高さは27mmで、薄底とは言い切れませんが、中厚底という表現がしっくりきます。厚底とは違い、接地の感触をより感じられるので、感覚を磨きたいランナーに最適です。
「万人向け」から「特化型」へ
自分もジャパンシリーズは6から履いていますが、当時の万能シューズというものではなくなり、ジャパン9はスピードトレーニングに特化したシューズに進化しています。アディゼロシリーズの万能シューズはSL2に譲ったかたちになりましたね。
アディゼロジャパン9のディティール
ここからは、デザインも含めたアディゼロジャパン9を深堀りしていきます。
ミッドソールはフルレングスでライトストライクプロを採用。
スリーストライプスがソールにはみ出していてデザインもかっこいいです。
前から見たときのピンクの部分がコンチネンタルラバー。
ドロップは7mmと標準的で転がるというよりは反発で前に進むといったイメージです。
後ろはロゴもなくシンプルなデザインに。外側に傾斜しています。
アウトソールには前足部のコンチネンタルラバーと全体にLIGHTTRAXION(ライトトラクション)を採用。高いグリップ力と軽量性が特徴です。デザインも幾何学的でおしゃれです。
自分は写真で見たとき真っ白に見えてラバーがないと思ってしまいました。
「安心してください!ラバーありますよ」みたいな感じですね。
アッパーはテキスタイルと合成ストレッチメッシュを採用し通気性と軽量性を重視したつくりに。
また、軽量で伸縮性のある「ライトロック」という素材を用い、伸縮性があり軽量ながらもフィット感にも優れています。
ヒールカップは軽量シューズ特有の柔らかさですが、思いの外しっかりしていて、ペラペラという感じではないです。
軽量シューズだけれど、履き口やシュータンにある程度パッドが使われていて、フィット感も良さそうです。
26.0cmで164グラム!軽すぎる
公式だと27.0cmで177gでしたが、購入した26.0cmだと164gでした。
自分が過去に買ったシューズでダントツの軽さです。マジで軽すぎます。
関係ないけど、自分が持ってるiPhone14よりも余裕で軽いです。
サイズ感
普段自分が履いているシューズはほとんどが26.0cmの普通幅ということで、今回も例に漏れず26.0cmを購入。
履いてみた感じはジャストサイズで、幅も少しだけ窮屈感は感じるものの許容範囲でした。アディゼロジャパン9はワイズに関しては、一つしか展開がないので、幅広の場合はサイズアップやダウンをおすすめします。
あと、軽量シューズなのでアッパー部分の生地については、伸縮性はあまりなくその点も考慮していただけるとなおいいと思います。
アシックス ASICS GT2000 8
アディダス アディゼロ ボストン 8
ナイキ ズームフライ3
ナイキ エア ズーム ペガサス 38
アディダス アディゼロ ボストン10
アディダス アディゼロ ジャパン6
アディダス アディゼロ タクミ セン 8
ナイキ エア ズーム ペガサス 39
アディダス アディゼロ ジャパン7
アディダス アディゼロ ボストン11
アシックス マジックスピード2
HOKA ボンダイ 8
アディダス アディゼロ SL
HOKA クリフトン9
アディダス アディゼロ ジャパン8
アディダス アディゼロ SL2
HOKA リンコン4
BROOKS ゴースト16
実際に走ってみた感想
とにかく軽い!スピードアップが自然とできる
履く前からわかってたことだけど、まず驚くのはその軽さです。今までのランニングシューズとは一線を画すような軽さで、普段の出力で走るといつも以上のスピードが出ます。
インターバルや閾値走といったスピード練習に活躍してくれそうです。
反発性が抜群
軽さの次はやはり反発力。フルレングスに採用されたLightstrike Proが軽さと反発力を生み出してくれています。ノンカーボンシューズなのに、カーボンシューズのように接地した瞬間に弾むような感覚と音が聞こえてきます。
安定感はあまりない
速さを求めればやはり失うものもあります。軽量性と反発性を重視したため、着地時の安定感はあまり感じられません。スピードを出しているときはテンポよく進んでくれますが、ソールが柔らかいので落ちてくるとスポンジの上を走っているようで、重心がブレやすくなります。
耐久性は疑問が残る
軽量シューズというのは耐久性がないとよく言われますが、ジャパン9もその点には不安があります。あと、ラバーがかなり薄く、ヒール着地の場合だとすぐに擦り減ってしまいそうです。コンセプトがスピードに寄っていますので、耐久性については期待しすぎないほうが良さそうです。
フルマラソンでは厳しいかも
実際にメニューとしては、10km〜15kmを走りましたが厚底に慣れすぎたせいか、接地感を感じすぎて足に疲労が溜まりそうというのが率直な感想です。ハーフまでなら何とかなりそうですな気もしますが、やはりベストは10km以下のスピード練習がメインといって間違いないでしょう。
評価まとめ
前作からの大幅アップデートになり、すべての人におすすめできるシューズではなくなりました。ですが、より特長を持ったシューズになったことによって、ユーザー目線ではシューズの棲み分けができるのも、メリットの一つになりました。
- スピード練習用のシューズを探している
- キロ5分以上のペースでテンポよく走りたい
- ノンカーボンでも反発性を感じたい
- 耐久性が気になる
- カラー展開が少なく、フラッグシップカラーの好みが分かれる
- アッパーの伸縮性
個人的には、スピードアップを目指すためにガシガシ履いていく予定です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!