アディゼロ SL2|ジョグにもポイント練にも使える万能トレーニングシューズ【レビュー】

アディゼロシリーズの中でも、トレーニングやジョグに特化した「アディゼロ SL2」は、最近履いた中でもかなり好感触だった一足だ。
これまでレビューしてきたシューズは20足近く。そのうち半分がアディゼロシリーズという偏りっぷりだけど、やっぱりこのシリーズには惹かれるものがある。
その中でも、SL2は特に印象に残ったモデルだった。

ということで今回は、アディゼロ SL2の特徴や実際に走ってみた感想を紹介する。
購入を検討しているランナーの参考になれば嬉しい。

なぜSL2を選んだのか

初心者ランナーが10キロ50分切り達成するためにしたこと_シューズ_SL2

いつでも気軽に履けるジョグ用シューズを探していた。
ポイント練習の日はジャパンを履くことが多いけれど、それよりも作りがしっかりしていて、ジョグに使えるシューズが欲しかった。

そんなときに目に留まったのが、アディゼロSL2。
軽さと安定感のバランスが良く、閾値走くらいなら十分こなしてくれそうだと思った。
前作のSLもかなり良かったが、SL2は評判通りか、それ以上に扱いやすいシューズだ。

アディゼロシリーズでの位置づけ

現在発売されているアディゼロSL2の現時点の位置づけをまずは確認しておきたい。

上級ランナー向け
  • PRIME X 2 STRUNG
  • ADIOS PRO 3
  • TAKUMI SEN 10
中級~上級向け
  • JAPAN 8
  • BOSTON 12
初級~上級向け
  • SL2←ココ
初級向け
  • DURAMO SPEED

アディゼロシリーズは、上位ランナー向けの「ADIOS PRO」や「TAKUMI SEN」、中級者向けの「BOSTON」や「JAPAN」、そして初心者〜中級者向けの「SL」「DURAMO」など、目的に応じて細かくラインナップが分かれている。

その中でSL2は、ジョグから閾値走まで幅広く対応できる万能型。
軽さと安定感を両立しており、レース用シューズのような推進力よりも「日々の練習を気持ちよく走れること」に重きを置いたモデルだ。

トレーニングやジョグを中心に走るランナー、あるいは初めてアディゼロシリーズを履いてみたい人にもおすすめできるポジションにある。

アディゼロ SL2のスペック

ここでは、アディゼロSL2のスペックを見ていく。

  • 重さ:235g※片足27cm
  • 足幅:E~2E※WIDEモデル有り
  • ドロップ:10.0mm
  • 底厚:34.0mm
  • ミッドソール:LIGHTSTRIKE PRO、LIGHTSTRIKE2.0
    ※公式サイトより

特に注目したいのは、前作と比べてクッション性と反発力がどちらも大きく向上している点。
さらに、ミッドソールは、LIGHTSTRIKE PROをLIGHTSTRIKE 2.0で挟み込む構造になっていて、実際に走ると心地よい反発が自然と足を前に押し出してくれる。

前作との比較

SL2_SLの比較

前作のSLの評判もよかったけど、SL2の評判に関してはすこぶるいい。

大幅に変更点があり、変化をまとめておく

SLSL2
重さ240g235g
ドロップ8.5mm10mm
底厚33.0mm34.0mm
クッション素材LIGHTSTRIKELIGHTSTRIKE2.0

すべての点でアップグレードされており、数値的な変化だけでもかなりの進化。 さらに、ドロップが増したことで前傾姿勢がとりやすくなり、自然とスピードにも乗りやすい。

アディゼロ SL2のディティールチェック

写真を使ってアディゼロSL2を詳しく見ていく。

フロント

SL2_正面

つま先の存在感がアップ。ドロップの変更により前傾をサポートしてくれる形状に。

バック

SL2_後ろ

ヒールカップは柔らかめで、見た目以上にしっかりフィット。そして、外側がやや浮いたデザインで安定性も向上している。

サイド

SL2_サイド1
SL2_サイド2

LIGHTSTRIKE 2.0とPROの二層構造がはっきり見える。今回の配色(コアブラック/ゼロメタリック/スパーク)はアクセントも効いていて個人的に好み。

アウトソール

SL2_アウトソール

SL2ではコンチネンタルラバーは非採用だが、グリップ性能は十分。ソール形状も前作から改良され、安定感が増している。

SL2_アウトアップ

さらに、ソールの形状も前作から変更されており、安定性と高反発性がアップグレードされている。

アッパー

SL2_アッパー

アッパーは通気性抜群の素材、エンジニアードメッシュアッパーを搭載し、長距離でも足の負担を軽減してくれる。

シュータン、履き口

シュータン
履き口

万人向けにつくられたモデルだけあって、作りの丁寧さが際立っている。
また、レーシングシューズやスピード系とは異なり、見た目からも包み込まれるような安心感が伝わってくる。

重さは227g

SL2_重さ

今回購入した26.0cmでの実測重量は227g。
特別な軽量モデルというわけではないけど、ジョグシューとしてはかなり軽い部類。
そして、前作と同じサイズ感で約8gの軽量化がされているのも地味にうれしいポイント。

アディゼロ SL2で走ってみた感想

SL2_ラン

ここからは実際にSL2を履いてみた感想をレビューしていく。

サイズ感

基本的に自分はランニングシューズにおいては26.0cmを買っておけば間違いない。
ということでもちろん26.0cmの普通幅を購入。

ただ、問題なく履けたとはいえ、今回はもう少し慎重になるべきだったと感じた。
というのも、足先の作りが意外と細く、圧迫感があったからだ。

自分の場合はそれなりに余裕をもって26.0cmを履けていたので、大丈夫だったけど、たぶん26.5cmでの問題なかった気がする。

サイズ感に自信がない人はワイド幅やサイズアップを検討してみるのも良いと思う。

今まで行ったシューズレビューはこちら>>>

すべてにおいてアップグレード

基本スペックにも書いたけど、SL2は機能面においてすべて前作を上回るつくりになっている。
実際に走ってみても、着地時のクッション性は明らかに向上。
さらにフィット感と反発性がうまくかみ合っていて、走ること自体が楽しく感じられるシューズに仕上がっている。

耐久性も問題なさそうで万人におすすめできるシューズ。

コスパも完璧

前作のSLは、少し贅沢なジョグシューズという印象だった。しかし、生まれ変わった今作は大幅なアップグレードにも関わらず価格は据え置き。そのため、コストの面でも他メーカーの王道シューズたちと肩を並べられる存在になったと思う。

900km履いた後のリアルな感想

SL2_900km_雨の日

現在、SL2は約900kmほど使用。
自分はヒールストライク傾向のフォームのため、かかとのソールには削れが見られ、履き口にもやや破れがある。

それでもクッション性と反発力はまだ十分に健在で、走行中の不安はまったく感じない。
特にグリップ性能が高く、雨の日のジョグシューズとしても安定感抜群

耐久性という点でもかなり優秀で、この調子なら1000kmまでは余裕で使えそうだ。

初心者にも一足目として強くおすすめしたい

アディゼロ SL2は、これからランニングを始める人にも、長く走ってきた人にもおすすめできる万能モデル。

・クセがなく履きやすい
・走りやすいのにコスパも抜群
・見た目もシンプルで飽きがこない

そして何より、走ることそのものを気持ちよくしてくれるシューズだと感じている。

派手さはないけれど、気づけば一番手に取っている、そんな存在。

価格、性能、デザインのバランスが取れた日常の相棒として、持っておいて損はない。